「やさしい日本語」とは、外国人でも理解しやすいように工夫された日本語。阪神淡路大震災の教訓から、外国人に対する災害発生時の情報伝達を「やさしい日本語」で行う必要性が認識されるようになった(平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題13)。
特徴
- 簡単な語彙:難しい言葉や専門用語を避け、日常的によく使われる言葉を使います。
- 短い文:文を短くし、情報を分かりやすく整理して伝えます。
- 具体的な表現:抽象的な表現を避け、具体的で明確な内容を伝えることに重点を置きます。
- 身近な例:生活に密着した例を使って、理解を助けることが多いです。
例
- 普通の日本語: 「次の会議は来週の火曜日に行われます。」
- やさしい日本語: 「次の会議は来週の火曜日です。」
やさしい日本語は、公共の場での案内、教育、マニュアル、災害時の情報提供など、さまざまな場面で使用されており、多文化共生や情報のバリアフリー化を促進するための重要なツールとなっています。
阪神淡路大震災の教訓から、外国人に対する災害発生時の情報伝達を「やさしい日本語」で行う必要性が認識されるようになった。その取り組みの一つとして、弘前大学人文学部社会言語学研究室の「やさしい日本語」がある。同研究室の「増補版『やさしい日本語』を作るためのガイドライン」(2013)では、旧日本語能力試験3級程度の外国人を対象とし、災害時や緊急時に必要となる情報を「やさしい日本語」に言い換えるルールを示している。例えば、「警戒する」を「気をつける」に言い換えるなどである。
ただし、災害時によく使われる語は、言い換えずに、やさしい日本語を添えるとしている。また、言い換えだけでは問題解決には不十分なため、言い換えとともに付随情報も提供することが必要な語も紹介している。
(中略)
問2『やさしい日本語』に言い換えるルールの例は?
1 「揺れる」ではなく、「揺れがある」を使う。
2 「使える」ではなく、「使うことができる」を使う。
3 「できる」ではなく、「できないことはない」を使う。
4 「注意してください」ではなく、「注意しましょう」を使う。
「やさしい日本語」に関して、NHKが2012年に試験的に始めたサービスは?
1 既存のニュースを「やさしい日本語」に置き換えたものをウェブサイト上で提供している。
2 「やさしい日本語」への置き換えの方法を学ぶ番組を週に一度放映している。
3 一部のニュース番組において、副音声で「やさしい日本語」による解説を行なっている。
4 「やさしい日本語」でニュースや情報などを放映する時間が設けられている。
平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題16問6より引用
「やさしい日本語」による情報提供については、自治体や国際交流協会を中心とした取り組みが広がっている。その一環として、自治体職員や地域の日本語ボランティアなどを対象とした、「やさしい日本語」に関する研修が行われている。また、民間の取り組みとしては、ウェブ媒体を用いた「やさしい日本語」による情報提供も行われている。
平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題16問3より引用
「やさしい日本語」に関して「NHK NEWS WEB EASY」のガイドラインとして適当なものは?
1 単語と文法を日本語能力試験のN2以下の範囲とする。
2 中心的な情報に加え、周辺的な情報も加える。
3 一文の長さを100文字以下にする。
4 簡略化しても、自然な日本語となるようにする。
平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題7問2より引用
やさしい日本語でやりたい過去問
・令和6年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題11問5
・令和4年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題13問3【増補版「やさしい日本語」作成のためのガイドライン】
・令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題12問5【減災のためのやさしい日本語】
・平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題7【NHK NEWS WEB EASY を使ったやさしい日本語ニュースの聴解と読解を組み合わせた授業】
・平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題13【やさしい日本語と緊急時支援における言語的問題】
・平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題16問6【「やさしい日本語」に関してNHKが2012年に始めたサービス】