在留資格とは?
在留資格とは、外国人が日本にいるための資格のことです。
以下は在留資格の一覧表です。
出入国在留管理庁の表では①就労が認められる在留資格②身分・地位に基づく在留資格③就労の可否は指定される活動によるもの④就労が認められない在留資格の4つに分けられています。
在留資格は①活動資格と②居住資格に分けることもできます。
活動資格とは?
活動資格とは、日本で行う活動に対して与えられるものです。
上の在留活動一覧表の「身分・地位に基づく在留資格」以外の在留資格が活動資格です。
活動資格は、その活動に基づいて与えられるので、その活動以外はできません。
活動資格には活動制限があります。
活動資格の例
・日本語学校の留学生(留学)
・ワーキングホリデー(特定活動)
・技能実習生(技能実習)
※()内は活動資格の種類です。
居住資格とは?
居住資格とは、日本での身分や地位に対して与えられる資格です。
居住資格には活動制限がありません。
日本人と同じくどんな仕事にも就くことができます。
居住資格には①永住者②日本人の配偶者等③永住者の配偶者等④定住者の4つがあります。
4つの居住資格について以下の質問を頂きました。
「日本人の配偶者と永住者の配偶者はありますが、定住者の配偶者はどうなっているのですか。居住資格は与えられないんですか」
みなさんはどう思いますか?
定住者の配偶者は日本に住めないのでしょうか。
それとも上の在留資格一覧表のどれかに当たるのでしょうか。
私の答えはこの後ですが、まずは上の在留資格一覧表を見ながら自分で考えてみてください。
永住者になるには?
すでに在留資格があり日本に住んでいる外国人が「永住許可申請」をして許可されれば、「永住者」になることができます。
「永住者」の親から日本で生まれた赤ちゃんも「永住者」になることができます。
詳しくは出入国在留管理庁の永住許可に関するガイドラインをご確認ください。
日本人の配偶者等になるには?
日本人と結婚すれば「日本人の配偶者等」になれます。
日本人の子どもも「日本人の配偶者等」になれます。
詳しくは出入国在留管理庁の在留資格「日本人の配偶者等」の場合をご確認ください。
え、日本人の子どもは日本人(日本国籍)だから、在留資格はいらないんじゃないの?
そう思った方、いい疑問ですね。
父か母が日本人の場合、子どもは生まれながらに日本国籍を取得できますので、在留資格は不要です。
ではどんな場合に日本人の子どもに在留資格が必要になると思いますか?
私の答えはこの後ですが、ちょっと考えてみてください。
日本人の子どもなのに在留資格が必要なケース
例えば、アメリカで子どもを産んだ場合、親がアメリカ人でなくても、子どもはアメリカ国籍を取得することができます。親が日本人の場合、子どもは日本とアメリカの二重国籍になります。日本は二重国籍を認めていませんので、生まれて3か月以内に国籍留保の届出(大人になったらアメリカ人になるか日本人になるか選びますから大人になるまで待ってくださいの届け出)をしなければなりません。しなかった場合は、日本国籍を失いますので、子どもは在留資格が必要になります。
永住者の配偶者等になるには?
永住者と結婚した人や日本で生まれた永住者の子どもは「永住者の配偶者等」になることができます。
定住者になるには?
定住者になるための要件はいろいろなパターンがあります。
『出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第二の定住者の項の下欄に掲げる地位を定める件』
に書かれているので、ちょっと見てみてください。
……
法律的な文章なので、とても分かりにくいですね。
私も読み解くのに苦労しました。
なので以下に具体例をあげます。
定住者の例
・日系2世、3世
・1年以上の在留期間を指定されている「定住者」の配偶者
在留資格にはどのくらい日本に滞在していいのか期間が指定されています。
「定住者」と結婚して自分も定住者になるには、「1年以上の在留期間」が必要ということですね。
「定住者」の在留資格狙いで結婚する人は、相手の在留カードを見て「1年以上の在留期間」になっているか確認しましょう。
というわけで先ほどの質問を思い出してください。
「 日本人の配偶者と永住者の配偶者はありますが、定住者の配偶者はどうなっているのですか。居住資格は与えられないんですか」
答えは以下の通りです。
定住者と結婚した人(配偶者)も要件を満たせば居住資格「定住者」に変更申請することができます。
入管法改正
最近の入管法改正は、令和2年度 日本語教育能力検定 試験Ⅲ問題16【2020】等ときどき出題されます。
法律に関することなので難しいですが、将来、日本語学校の経営に携わりたいと思っている方や行政書士に興味がある方には、必要な知識になります。
出入国在留管理庁の『最近の入管法改正』に目を通しておいてください。
正答率が低いので難しいと思われる方は無理に取り組まなくても合格はできます。
現職の日本語教師でも非常勤で入管法改正に詳しい人は珍しいでしょう。
令和2年度 日本語教育能力検定 試験Ⅲ問題16【2020】では、平成30年改正が出題されました。
平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題15【2018】では、1990年から200年に至るまでの変化や在留資格「高度専門職」が新設された平成26年(2014年)改正が問われました。
在留資格が出題された日本語教育能力検定試験の過去問
・令和5年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題15問3【1990年(平成2年)入管法改正】
・令和4年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題15【2022】外国人労働者 問1(正答率60)「身分に基づく在留資格」 問2(正答率72)「技能実習」問3(正答率25)「資格外活動」
・令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題16【2021】留学生 問2(正答率35)「技術・人文知識・国際業務」 問3(正答率13)「特定活動46号」
・令和2年度 日本語教育能力検定 試験Ⅲ問題16【2020】在留外国人と2018年(平成30年)入管法改正
・令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題14【2019】経済連携協定(EPA)問2特定活動
・平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題15【2018】問4選択肢2平成26年(2014年)改正高度専門職
・平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題16問3【在留資格に関する記述として正しいものは?「興行」「就学」「研修」「定住者」】
・平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題15問4【在留資格「定住者」創設の経緯】
・平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題12問1【最も多い在留資格は?】
・平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題14【在留管理制度】
・平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題14問2【身分・地位に基づいて付与される在留資格は?】
・平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題11問1【「1990年」代に南米日系人の来日が増えた理由は?】
・平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題15問1【最も多い在留資格は?】