音声記号の覚え方
日本語教育能力検定試験は音声記号で始まります。
音声記号が大問で扱われた平成25年度を除き、冒頭は毎年音声記号問題です。
冒頭でつまづくと心に傷を負いますので、確実に覚えましょう。
私のYouTubeチャンネルでも一番の人気動画で音声記号を覚えることができます。
音声記号を覚えた後は下記の記事で問題にチャレンジして見てください。
子音の見分け方
子音は、①声帯振動、②調音点、③調音法の3点から分類されます。
①声帯振動
呼気は声帯が頑張ると声になります。声帯が振動すれば有声音、声帯が振動しなければ無声音になります。
②調音点
調音点とは、口の中(口腔内)で呼気を妨害する場所のことです。唇を閉じたり、舌を上顎に近づけたりして、息の流れを邪魔します。
前から順に、両唇、唇歯、歯、歯茎、歯茎硬口蓋、硬口蓋、軟口蓋、声門などがあります。
③調音法
調音法とは、口の中(口腔内)で呼気を妨害する方法のことです。
鼻音、破裂音、摩擦音、破擦音、弾き音などがあります。
鼻音…口の中を調音点で閉鎖し、鼻から息を出します。
例)ナ行[n/ɲ]、マ行[m]
破裂音…口の中を調音点で閉鎖し、その後一気に開放して破裂した音を出します。長くは伸ばせません。
例)パ行[p]、タテト[t]
摩擦音…口の中を調音点で狭めて、隙間から息を出します。
例)サ行[s/ɕ]、ハ行[h/ç/ɸ]
破擦音…字の通り、破裂音+破擦音です。破裂音を出した直後に摩擦音を出します。
例)チ[tɕ]、ツ[ts]、
破擦音は音声記号も破裂音+摩擦音になっています。つまり音声記号が二文字であれば破擦音です。
例)タテト[t]+シ[ɕ]=チ[tɕ]、タテト[t]+サスセソ[s]=ツ[ts]
破裂音+摩擦音=破擦音
破擦音は数が少ないので最初に覚えましょう。
また、破擦音は、一文字目が[t]であれば無声音、一文字目が[d]であれば有声音になります。
例)[ts]→無声音、[dz]→有声音
弾き音…口の中(口腔内)で舌を弾いて音を出します。
弾き音は有声音のみです。日本語ではラ行[ɾ]のみが弾き音になります。
半母音…摩擦音より隙間が広く、すぐ母音になります。
半母音は有声音しかありません。日本語では、ヤ行とワ行です。
子音の音声記号の読み方
①声帯振動②調音点③調音法、の順番です。
例)カキクケコ[k]→無声軟口蓋破裂音
チ[tɕ]→無声歯茎硬口蓋破擦音
母音の見分け方
母音は、④円唇性(えんしんせい)(唇の丸め)、⑤舌の前後位置、⑥舌の高さの3点から分類されます。
母音は子音と違い調音器官による気流の妨げが起こらないので、分類法が変わるようです。
④円唇性(唇の丸め)
丸めありの円唇(オ)と丸めなしの非円唇(ア、イ、ウ、エ)に分けられます。
⑤舌の前後位置
前舌(イ、エ)、真ん中(ア)、後舌(ウ、オ)に分けられます。
⑥舌の高さ
高母音(イ、ウ)、中母音(エ、オ)、低母音(ア)に分けられます。
母音の音声記号の読み方
④円唇性⑤舌の前後位置⑥舌の高さ、の順番です。
ア[a]非円唇低母音
イ[i]非円唇前舌高母音
ウ[ɯ]非円唇後舌高母音
エ[e]非円唇前舌中母音
オ[o/ɔ]円唇後舌中母音