「見える」「見られる」「聞こえる」「聞ける」の教え方

似ている文法の教え方
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似ている文法の教え方シリーズでは

意味・用法の違い・教え方だけではなく

どうやって授業準備をしているのか

どうやって学生に違いを伝えているのか

私のノウハウを全てお伝えします。

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授業準備編

本とグーグル先生で違いを知る

まずはリサーチです。

本がある時は本で

本がない時はグーグルで

調べます。

一番汎用性のある本はこちら

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重くて持ち運びがつらかったのですが、Kindle版が出たのでそちらも購入しました。

初級で扱うだいたいの文法がのっています。

見える・聞こえる(自発)はp86~にあります。

自発は「自然とそうなる」という意味を持ち、目の前に現れた出来事をそのまま伝える場合などに使います。この場合可能形は使えません。

(4)あ、富士山が{〇見える/×見られる}。

(5)おや、虫の声が{〇聞こえる/×聞ける}。もう秋だなあ。

その後には逆に自発形が使えず、可能形を用いる場面として「意識的に注意を向ける場合」がのっています。

(6)電車に間に合えば、9時のドラマが{×見える/〇見られる}。

(7)やっとコンサートのチケットを手にいれた。これであの歌手の歌が{×聞こえる/〇聞ける}。

似ている文型の違いが知りたいときは以下の本も役立ちます。

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こちらの本のいいところは、練習問題がのっていることです。そのままレッスンに使えます。紙の本もKindleも両方私は持っています。

「見られる」と「見える」の違いはp110にあります。

テキストとして『みんなの日本語』を使っている場合は、下記の本もおすすめです。

『みんなの日本語』の前身である『日本語の基礎』の教え方マニュアルです。

『みんなの日本語』にも教え方マニュアル本はあるのですが

『続・日本語の教え方の秘訣』の方が詳しくのっているのでおすすめです。

「見られます、聞けます」と「見えます、聞こえます」の違いの表が30ページにあります。

違いをまとめる

以上の本で調べた違いを自分の頭でまとめます。

自発形
見える
聞こえる
自然とそうなる、視界にある、自然に目に入る、耳に入る
可能形
見られる
聞ける
意識的に注意を向ける、見ることができる状態にある(状態可能)、まだ視界になく見えていない、まだ聞いていない

場面と会話を作る

私の勤める日本語学校では、新しい文型を会話で導入して、そのまま会話練習します。

どんな場面であれば、どんな会話であれば、

学習者は違いを理解できるか、いい会話練習ができるか考えます。

例えば、実際の教案では以下のような会話をつくりました。

【聞こえる】を導入して練習する会話例

A:あれっ。猫の鳴き声が聞こえますよ。

B:えっ。

A:ほら、聞こえませんか。

B:あっ。本当ですね。あっ、ここにいますよ。

A:うわー。かわいいですねー。

【見える】を導入して練習する会話例

A:今日は天気がいいですねー。

B:そうですねー。

A:あ、富士山が見えますよ!

B:あ、本当ですね。きれいですねー。

学習者に伝わる説明を考える

日本語文法ハンドブックに書いてある説明は日本語教師に向けての説明です。

これをそのまま学習者に日本語で説明しても伝わりません。

方法は2つあります。

①学習者の使用言語で説明する

例えば、英語が話せる学習者で、講師も英語が話せるのであれば、英語で説明すると早いです。

②やさしい日本語で説明する

国内の日本語学校では、基本的に英語は使いません。英語がわからない学習者もいるので。

そのときは、学習者にも理解できるやさしい日本語で説明する必要があります。

これを考えるのが難しい。

例えば、

『見られる」を使うのは『意識的に注意を向ける』ときです

といっても伝わらないので

見たいです。がんばります。見られます」とか。

シンプルでわかりやすい日本語に変えます。

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実践編

実践編について

授業準備編の詳細

さらには実際に使用した教案

これらはハマゼミメンバー限定のYouTube動画にあります。

よかったら見てみてください。

上に書いた会話をどのように授業で使ったか

他の会話例

なども見ることができます。

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