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現代日本語文法①第2部 形態論 第2章【品詞】を分かりやすく解説

現代日本語文法は日本語の文法を網羅した本としては最高の本です。

そのぶん難しいです。

そこでこのブログでわかりやすく解説しました。

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  1. このブログの講義動画はこちらから
  2. 本日の問題
  3. 第2章 品詞 第1節【品詞とは】
        1. ★問題 指示詞「これ」「この」「こう」の品詞は?
  • 3.複数の品詞の性質をもつ単語の存在
  • 第2章 品詞 第2節【動詞】
    1. 1.動詞とは
    2. 2. 動詞の種類
      1. 2.1 活用から見た動詞の種類
      2. 2.2 アスペクトから見た動詞の種類
        1. ★疑問 「スルーシテイルによるアスペクトの対立がない」とは?
        2. ★問題 「状態動詞」「主体動作動詞」「主体変化動詞」「継続動詞」「瞬間動詞」の例を挙げよ
      3. 2.3 自動詞と他動詞
        1. ★自他の対応
          1. ペアになる他動詞が無い自動詞
          2. ペアになる自動詞が無い他動詞
          3. 自動詞と他動詞が同じ形になる動詞の一覧
      4. 2.4 意思同士と無意思動詞
    3. 3.特殊な動詞
      1. 3.1 補助動詞
      2. 3.2 スル動詞と「する」「やる」
  • 第2章 品詞 第3節【形容詞】
    1. 1.形容詞とは
        1. ★疑問 「形容詞は、ヴォイスやアスペクトとは関係しないが、肯否やテンスとは関係する」とは?
  • 2.形容詞の種類
    1. 2.1 イ形容詞とナ形容詞【形態による分類】
    2. 2.2 属性形容詞と感情・感覚形容詞【意味による分類】
      1. ★過去問にチャレンジ!
      2. ★ここがポイント!
  • 3.特殊な形容詞
    1. 3.1 補助形容詞【〜てほしい】
    2. 3.2 「ない」
  • 4.名詞の性質ももつナ形容詞
  • 第2章 品詞 第4節【名詞】
    1. 1.名詞とは
    2. 2.意味による名詞の種類
        1. ★過去問にチャレンジ!
  • 3.特殊な名詞
    1. 3.1 代名詞
    2. 3.2 数量名詞(数詞)
    3. 3.3 固有名詞
    4. 3.4 動作名詞
      1. ★過去問にチャレンジ!
    5. 3.5 形式名詞
  • 4.形容詞に近い名詞
  • 第2章 品詞 第5節【副詞】
    1. 1.副詞とは
    2. 2.副詞の種類
      1. 2.1 あり方の副詞
      2. 2.2 テンスの副詞・アスペクトの副詞
      3. 2.3 モダリティの副詞
      4. 2.4 とりたての副詞
    3. 3.否定と呼応する副詞
  • 第2章 品詞 第6節【連体詞】
        1. ★過去問にチャレンジ!
  • 第2章 品詞 第7節【助詞】
    1. 1.助詞とは
    2. 2.助詞の種類
      1. 2.1 格助詞
      2. 2.2 連体助詞
      3. 2.3 並列助詞
      4. 2.4 とりたて助詞(取り立て助詞)
      5. 2.5 接続助詞
      6. 2.6 終助詞
  • 第2章 品詞 第8節【助動詞】
  • 第2章 品詞 第9節【接続詞】
      1. ★疑問 接続詞と接続助詞の違いは?
  • 第2章 品詞 第10節【感動詞】
  • 本日の問題の答え
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    【文法を極める会3】現代日本語文法①第2部形態論第2章【品詞】の解説 by 日本語教師のハマゼミコミュニティ
    【文法を極める会】では①日本語教育能力検定試験合格や②日本語を教える時に役立つ文法を勉強しています。ここでは【文法を極め...
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    本日の問題

    【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを1つ選べ。

    (3)【品詞】

    1 けち

    2 平等

    3 元気

    4 幸せ

    5 勉強

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    第2章 品詞 第1節【品詞とは】

    品詞とは、文法的な性質の違いによって単語を分けたもの(p84,p93)

    品詞の性質については、令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3Bで問われていますので、試験問題を持っている人は見ておいてください。

    品詞の一覧

    ・動詞

    ・形容詞

    ・名詞

    ・副詞

    ・連体詞

    ・助詞

    ・助動詞

    ・接続詞

    ・感動詞

    ★問題 指示詞「これ」「この」「こう」の品詞は?

    文を作って見る。

    「これ」

    これ欲しい

    後ろに格助詞「が」がつくので「これ」は名詞

    「この」

    この猫

    後ろに名詞が必ずつくので「この」は連体詞

    「こう」

    こうします

    動詞「します」を修飾しているので「こう」は副詞

    3.複数の品詞の性質をもつ単語の存在

    p94

    格助詞と一緒にも使える(名詞にもなる)ナ形容詞の一覧

    ・自由

    ・平等

    ・元気

    ・幸せ

    ・親切

    ・健康

    ・けち

    ナ形容詞の性質:次に名詞がくるときは「な」

    「自由猫」「平等社会」「元気子ども」「幸せ考え」「親切人」「健康食事」「けち彼氏」

    名詞の性質:格助詞「が」をとる

    「自由」「平等」「元気」「幸せ」 「親切」「健康」「けち

    名詞にもナ形容詞にもなる単語が出題された日本語教育能力検定試験の過去問

    令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3B【品詞の性質】(9)

    平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3D【形容詞】(18)

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    第2章 品詞 第2節【動詞】

    1.動詞とは

    p95

    動詞とは①単独で述語になり②活用し③基本形はウ段で終わり④典型的には動きを表す単語

    活用とは、文法的意味を表すために語形が変化すること。

    2. 動詞の種類

    動詞の種類は日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第5版p66「日本語の動詞分類」の表がわかりやすい。

    2.1 活用から見た動詞の種類

    p96

    動詞の種類を知りたいときはどうする?

    →動詞に「ない」をつける。

    1.「聞かない」「書かない」「読まない」「吸わない」

    kikanai/kakanai/yomanai/suwanai

    anai」はⅠ型動詞(グループ1)

    2.「見ない」「降りない」「食べない」「寝ない」「投げない」

    minai/orinai/tabenai/nenai/nagenai

    inai」「enai」はⅡ型動詞(グループ2)

    3.「しない」「来ない」は不規則変化動詞(グループ3)


    Ⅰ型動詞「聞く」

    聞かない・聞きます・聞く・聞けば・聞こう

    kikanai/kikimasu/kiku/kikeba/kikoo

    →変わらない部分は「kik

    子音「k」で終わっている。

    Ⅰ型動詞は子音語幹動詞(子音動詞)

    Ⅱ型動詞「投げる」

    投げない・投げます・投げる・投げれば・投げよう

    nagenai/nagemasu/nageru/nagereba/nageyoo

    →変わらない部分は「投げ」「nage

    「nage」が語幹

    母音「e」で終わっている。

    Ⅱ型動詞は母音語幹動詞(母音動詞)

    活用から動詞を分類する方法について詳しくは下記の記事をどうぞ

    活用から見た動詞の種類については平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3Aの問題文に詳しい説明がありますので読んでおいてください。

    2.2 アスペクトから見た動詞の種類

    p96

    動き動詞とは、動きを表す動詞

    状態動詞とは、動きを表さない動詞

    主体動作動詞とは、主体が動く動き動詞

    主体変化動詞とは、主体が変化する動き動詞

    継続動詞とは、動きが継続する動き同士

    瞬間動詞とは、動きが瞬間的に終わる動き動詞

    ★疑問 「スルーシテイルによるアスペクトの対立がない」とは?

    →「対立」とは違う立場のものが並び立っていること

    →「対立がある」とは違う立場のものがあること。

    →「対立がない」とは違う立場のものがいないこと。

    →「アスペクトの対立がない」→「違う立場のアスペクトがない」→アスペクトを選べないということ。

    アスペクトの対立がある例)

    ○チーズを食べる。

    ○チーズを食べている。

    「食べる」を使うのか「食べている」を使うのかアスペクトを選べる。

    テンスの対立がある例)

    ○チーズを食べる。

    ○チーズを食べた。

    「食べる」を使うのか「食べた」を使うのかテンスを選べる。

    アスペクトの対立がない例)

    ×山がそびえる。

    ○山がそびえている。

    「そびえている」しか使えないのでアスペクトの対立がない。

    ※「そびえる山」のように名詞修飾なら「そびえる」も使える。

    ★問題 「状態動詞」「主体動作動詞」「主体変化動詞」「継続動詞」「瞬間動詞」の例を挙げよ

    状態動詞の例・一覧

    いる、ある、似合う、実在する、「読める」など動詞の可能形、「綺麗すぎる」など「〜すぎる」、そびえている、ひょろひょろしている…

    主体動作動詞の例・一覧

    洗う、食べる、磨く、読む、書く、遊ぶ、勉強する…

    主体変化動詞の例・一覧

    立つ、座る、死ぬ、倒れる、痩せる、太る、成長する、…

    継続動詞の例・一覧(主体動作動詞の多くは継続動詞)

    洗う、食べる、磨く、読む、書く、遊ぶ、勉強する…

    瞬間動詞の例・一覧(主体変化動詞の多くは瞬間動詞)

    立つ、座る、死ぬ、倒れる…


    状態動詞と非状態動詞の違いについては下の記事もどうぞ。

    平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3Bでは【状態性の述語】が問われていますのでお持ちの方は見ておいてください。

    2.3 自動詞と他動詞

    p97~

    他動詞:[主語][補語][動詞]

    他動詞文の例)猫チーズ食べる/猫ソファーひっかく/猫ネズミ追いかける

    自動詞:[主語][動詞]

    自動詞文の例)猫起きる/猫歩く/猫通る

    補語とは、その述語の語彙的な意味を表すために必要な成分の1つで主語以外の成分

    例えば、「食べる」という述語の意味を表すためには「誰が」「何を」食べるのかという情報が必要。「誰が」は主語なので「何を」が補語

    https://www.hamasensei.com/grammar1/
    ★自他の対応

    自動詞「開く」と他動詞「開ける」のようにペアになる動詞を自他の対応が有るといいます。

    ペアになる他動詞が無い自動詞

    歩く」のように応する他動詞がい自動詞を無対自動詞といいます。

    ペアになる自動詞が無い他動詞

    忘れる」のように応する自動詞がい他動詞を無対他動詞といいます。

    自動詞と他動詞が同じ形になる動詞の一覧

    ・開(ひら)く ドアが開く/私がドアを開く

    ・閉じる ドアが閉じる/私がドアを閉じる

    ・解決する 問題が解決する/私が問題を解決する

    ・オープンする 店がオープンする/私が店をオープンする


    自他の対応はよく試験に出ますので過去問を確認しておいてください。

    令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(8)【自他の対応】

    平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(6)【動詞の自他】

    自動詞と他動詞については下の記事で詳しくまとめています。

    2.4 意思同士と無意思動詞

    p98

    意思動詞はしようと思ってする、コントロールできる

    意思動詞の例)食べる、飲む、勉強する

    猫がご飯を食べる…猫はご飯を食べようと思って食べる。

    無意思動詞はしようと思ってしていない、コントロールできない

    無意思同士の例)降る、流れる、故障する

    雨が降る…雨は降ろうと思って降っているわけではない。

    3.特殊な動詞

    3.1 補助動詞

    p98~

    補助動詞とは、動詞のテ形について意味を付け加える動詞。

    補助動詞の例)食べている、食べてある、食べておく、食べてくる、食べていく、食べてあげる、食べてくれる、食べてもらう、食べてみる、食べてみせる

    補助動詞について詳しくは第2巻p121~


    補助動詞に関連する過去問

    令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(8)【補助動詞】

    3.2 スル動詞と「する」「やる」

    p99~

    「明日は何をする?」「明日は何をやる?」

    →明日「する」「やる」ことは「起きる」「歯を磨く」「ご飯を食べる」「仕事に行く」など様々な動きが考えられるが、それらの代表として「する」「やる」が使われている。

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    第2章 品詞 第3節【形容詞】

    1.形容詞とは

    p100~

    形容詞とは、①名詞を修飾したり、②述語になったりする語。③ときには述語を修飾することも。

    ①形容詞が名詞を修飾する例

    かわいいねこ。

    ②形容詞が述語になる例

    ・ねこがかわいい

    ③形容詞が述語を修飾する例

    かわいく歩く。

    ★疑問 「形容詞は、ヴォイスやアスペクトとは関係しないが、肯否やテンスとは関係する」とは?

    →具体的な文を作ってみるとすぐわかる。

    ・形容詞とヴォイス

    × かわいいられる受身

    ×かわいいさせる使役

    ・形容詞とアスペクト

    ×かわいいている

    ・形容詞と肯否

    ○かわいい(肯定)

    ○かわいくない否定

    ・形容詞とテンス

    ○かわいい(非過去)

    ○かわいかった過去

    ・形容詞とモダリティ

    ○かわいいらしい

    2.形容詞の種類

    2.1 イ形容詞とナ形容詞【形態による分類】

    p101

    形容詞はその形態からイ形容詞とナ形容詞に分けられます。

    イ形容詞とは、後ろに名詞がくるとき「い」になるもの。

    例)面白人、安

    ナ形容詞とは、後ろに名詞がくるとき「な」になるもの。国語文法の形容動詞

    例)豊か国、丈夫

    イ形容詞とナ形容詞と名詞の見分け方

    2.2 属性形容詞と感情・感覚形容詞【意味による分類】

    形容詞はその意味から属性形容詞と感情・感覚形容詞に分けられます。

    属性形容詞とは、事物の性質・状態を表す形容詞

    感情・感覚形容詞とは、感情や感覚を表す形容詞

    ★過去問にチャレンジ!

    【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを一つ選べ。

    【形容詞の種類】

    1 私はふるさとが懐かしい

    2 この服はデザインが古い

    3 彼は性格がおとなしい

    4 この店は野菜が安い

    5 この喫茶店はコーヒーがおいしい

    平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(9)より

    答えは次の行から

    1「懐かしい」と私が感じているので感情・感覚形容詞

    2「古い」デザインなのはその服の属性なので属性形容詞

    3「おとなしい」のは彼の属性なので属性形容詞

    4「安い」のはその野菜の属性なので属性形容詞

    5「おいしい」のはそのコーヒーの属性なので属性形容詞

    よって、答えは1

    【過去問解説】平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(9)より
    ★ここがポイント!

    ・感情・感覚形容詞は、原則1人称のみ。

    ×彼は寒いです

    ○私は寒いです

    ・「好きだ」「嫌いだ」のように長く続く感情を表す形容詞は3人称でもよい。

    ○彼は猫が好きです。

    3.特殊な形容詞

    3.1 補助形容詞【〜てほしい】

    p102

    「〜てほしい」で動きの実現の願望を表す

    ・彼に合格してほしい

    3.2 「ない」

    イ形容詞「ない」は非存在の意味

    「ある」の否定形「あらない」は現在使われていないため

    「ない」が「ある」の否定形として使われている。

    4.名詞の性質ももつナ形容詞

    格助詞と一緒にも使える(名詞にもなる)ナ形容詞

    ・自由・平等・元気・幸せ・親切・健康・けち

    p94参照 https://www.hamasensei.com/grammar2/#toc48

    形容詞に関する過去問

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    第2章 品詞 第4節【名詞】

    1.名詞とは

    p103~

    名詞とは、①格助詞がついて主語になったり、②格助詞がついて補語になったり、③「だ」がついて述語になったりする語。活用しない。典型的には「もの」を表す。

    ①格助詞がついて主語になる例

    猫がチーズを食べる。

    ②格助詞がついて補語になる例

    ・私が猫を撫でる。

    ③「だ」がついて述語になる例

    ・私は猫だ

    2.意味による名詞の種類

    p104

    名詞には、人を表す名詞、物を表す名詞、事を表す名詞、場所を表す名詞、時を表す名詞などがある。

    ただし、「家」など物を表す名詞としても場所を表す名詞としても使われるものもある。

    物を表す名詞の例)家を作りました。

    場所を表す名詞の例)家に行きます。

    ★過去問にチャレンジ!

    【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを一つ選べ。

    【名詞の場所性】正答率27.8%

    1 信号

    2 電信柱

    3 ガードレール

    4 バス停

    5 道路標識

    令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(6)より

    答えは次の行から

    1 信号に行く× →物を表す名詞

    2 電信柱に行く× →物を表す名詞

    3 ガードレールに行く× →物を表す名詞

    4 バス停に行く○ →場所を表す名詞

    5 道路標識に行く× →物を表す名詞

    よって、答えは4

    令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(6)より

    場所を表す名詞→「Nに行く

    を表す名詞→「Nのところに行く

    NNoun(名詞)の略

    3.特殊な名詞

    p105~

    3.1 代名詞

    代名詞とは、その場面や文脈にある何かを指し示す名詞。人称代名詞、指示代名詞、疑問代名詞がある。

    人称代名詞とは、人物を指し示す代名詞

    人称代名詞の例)「私」「あなた」「彼」「彼女」

    指示代名詞とは、物や場所を指し示す代名詞

    指示代名詞の例)「これ」「それ」「あれ」「ここ」「そこ」「あそこ」

    疑問代名詞とは、指し示す対象が定まっていない代名詞

    疑問代名詞の例)「なに」「だれ」「どこ」

    3.2 数量名詞(数詞)

    p105

    数量名詞とは、事物の数量を表す名詞。数詞とも。

    数量名詞の例)「1つ」「2冊」「3人」「4個」

    数量名詞は本数詞と助数詞に分けられる。

    本数詞とは、「1つ」「2冊」「3人」「4個」のような数量名詞のうち「1」「2」「3」「4」のように数量を表す部分のこと

    助数詞とは、「1つ」「2冊」「3人」「4個」のような数量名詞のうち「つ」「冊」「人」「個」のように名詞の数え方を表す部分のこと


    数量名詞が出題された日本語教育能力検定試験の過去問

    令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題2【2021】数詞

    3.3 固有名詞

    固有名詞とは、特定の事物につけられた名前

    固有名詞の例)「富士山」「村上春樹」「東京スカイツリー」

    3.4 動作名詞

    p105

    動作名詞とは、「スル」をつけるとスル動詞として使える名詞

    動作名詞(動名詞)の具体例)

    ・勉強

    ・旅行

    ・仕事

    ・食事

    ・掃除

    ・見学

    ★過去問にチャレンジ!

    動作名詞に該当するものはどれか。

    1 火事

    2 大会

    3 感覚

    4 意味

    令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3B【品詞の性質】(7)より

    答えは次の行から

    動作名詞に該当するものはどれか。

    1 火事する×

    2 大会する×

    3 感覚する×

    4 意味する○

    よって、答えは4

    令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3B【品詞の性質】(7)より

    動作名詞(動名詞)が出題された日本語教育能力検定試験の過去問

    令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3B(7)

    3.5 形式名詞

    p106

    形式名詞とは、それ自身では実質的な意味を表さないので、いつも修飾する語と一緒に使われる名詞

    形式名詞の例)「こと」「もの」「わけ」「ところ」

    ×これはことです。

    ○これは彼がしたことです。

    ×いまはところです。

    ○いまは宿題をしているところです。

    形式名詞について詳しくは下記の記事をどうぞ。


    形式名詞が出題された日本語教育能力検定試験の過去問

    令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(14)【「ものだ」の用法】

    令和2年度 日本語教育能力検定試験Ⅱ問題6の7番d【形式名詞の誤り】

    令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅱ問題6の3番b【形式名詞の誤り】

    平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(8)【形式名詞】

    平成24年度日本語能力検定試験Ⅰ問題3C【形式名詞】

    4.形容詞に近い名詞

    p106

    副詞によって程度を修飾することができる名詞「寂しがりや」「美人」

    ○彼女はとても寂しがり屋だ。

    ×彼女はとてもパン屋だ。

    ○彼女はとても美人だ。

    ×彼はとても猫だ。


    格助詞はあまり使わず「の」を使って後ろの名刺を修飾することが多い名刺「一流」「通常」

    一流の

    通常の場合

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    第2章 品詞 第5節【副詞】

    1.副詞とは

    p107

    副詞とは、①動詞②形容詞③副詞を修飾する語。活用しない。

    ①動詞を修飾する副詞の例

    ・服がびしょびしょに濡れた。(動詞「濡れた」を修飾)

    ②形容詞を修飾する副詞の例

    ・猫はとてもかわいい。(形容詞「かわいい」を修飾)

    ③副詞を修飾する副詞の例

    かなりきっぱりと断った。(副詞「きっぱりと」を修飾)

    2.副詞の種類

    2.1 あり方の副詞

    「あり方の副詞」については、現代日本語文法②p191~

    2.2 テンスの副詞・アスペクトの副詞

    「テンスの副詞」については、現代日本語文法③p201~

    「アスペクトの副詞」については、現代日本語文法③p65~

    2.3 モダリティの副詞

    モダリティについては、現代日本語文法④

    モダリティについて勉強した後にもう一度このページを見るとよい。


    モダリティの副詞が出題された日本語教育能力検定試験の過去問

    令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3D【モダリティ】(18)

    2.4 とりたての副詞

    「とりたての副詞」については、現代日本語文法⑤p15~

    3.否定と呼応する副詞

    呼応とは、び掛けにえること。ある語句を使うには別の語句が必要になること。

    否定と呼応する副詞とは、否定と一緒に使わなければいけない副詞のこと。

    否定と呼応する副詞の例)「少しも」「あまり」「めったに」「決して」「まさか」「必ずしも」

    ×この本は少しもおもしろい。

    ○この本は少しもおもしろくない

    ×彼はめったに来る。

    ○彼はめったにない


    副詞の呼応が出題された日本語教育能力検定試験の過去問

    平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(13)

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    第2章 品詞 第6節【連体詞】

    p110~

    連体詞とは必ず名詞を修飾する語。活用しない。

    ×それはこの

    ○それはこの猫だ。

    ★過去問にチャレンジ!

    【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを一つ選べ。

    【連体詞】

    1 このレストラン

    2 あらゆる機会

    3 いろんな花

    4 わが人生

    5 同じ本

    平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(5)より

    答えは次の行から

    【連体詞】

    名詞を消してみる。

    1 このだ×→名詞なしで使えないので連体詞

    2 あらゆるだ×→名詞なしで使えないので連体詞

    3 いろんなだ×→名詞なしで使えないので連体詞

    4 わがだ×→名詞なしで使えないので連体詞

    5 同じだ○→名詞なしで使えるので連体詞じゃない。

    よって、答えは5

    平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(5)【連体詞】

    連体詞と形容詞と副詞の違いについては下の記事をどうぞ


    連体詞が出題された日本語教育能力検定試験の過去問

    平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(5)【連体詞】

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    第2章 品詞 第7節【助詞】

    1.助詞とは

    助詞とは、単独で使わず①名詞の後や②述語の後にくっつけて使う。活用しない。

    ①名詞の後の助詞の例

    ・猫チーズ食べる。

    ②述語の後の助詞の例

    ・猫がチーズを食べる

    2.助詞の種類

    2.1 格助詞

    p111~

    格助詞とは、名詞にくっついて名詞と述語との関係を表す助詞

    格助詞の例)

    ・猫チーズ食べる

    述語「食べる」との関係で「猫」は主体なので「」で表す。

    述語「食べる」との関係で「チーズ」は対象なので「」で表す。

    格助詞については、現代日本語文法②p3~

    2.2 連体助詞

    p112~

    連体助詞とは、名詞が名詞を修飾するときの「の」

    連体助詞の例)日本家、家

    格助詞の後に連体助詞がつく例)猫から手紙、日本へ飛行機

    2.3 並列助詞

    並列助詞とは、名詞と名詞を対等な関係で結びつける助詞。

    並列助詞の全部列挙の例)パーティにはABCDEが来ます。

    並列助詞の一部列挙の例)パーティにはABが来ます。

    並列助詞の選択列挙の例)パーティにはABが来ます。

    並列助詞の累加列挙の例)スイカ

    並列助詞について詳しくは、現代日本語文法②p112~

    2.4 とりたて助詞(取り立て助詞)

    p113~

    とりたて助詞とは、文中のある要素を取り上げて、文面にない意味を表す助詞。

    とりたて助詞「累加」の例)猫好きです。

    「猫」という文中の要素を取り上げて、「猫と同じように好きなのが他にもある」(累加)という文面にない意味を表している。

    とりたて助詞「対比」の例)猫好きです。

    「猫」という文中の要素を取り上げて、「猫は好きだが他はそうじゃない」(対比)という文面にない意味を表している。

    とりたて助詞について詳しくは、現代日本語文法⑤p4~

    とりたて助詞が出題された日本語教育能力検定試験の過去問

    令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3C【取り立て助詞「も」】2019

    2.5 接続助詞

    p114~

    接続助詞とは、従属節末に使われて、従属節と主節の関係を表す助詞

    順接条件を表す接続助詞の例)触る噛みます。

    接続助詞については詳しくは、現代日本語文法⑥参照

    2.6 終助詞

    p115~

    終助詞とは、文の最後に使われて話し手の気持ちを表す。

    疑問の終助詞の例)明日は休みです

    伝達の終助詞の例)明日は休みです

    終助詞について詳しくは、現代日本語文法④p239~

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    第2章 品詞 第8節【助動詞】

    p116~

    助動詞とは、述語に使われて意味を複雑にする。活用するものが多いが「だろう」のように活用しない助動詞もある。

    活用する助動詞の例)行くべきだ○ 行くべきだった○ 行くべきでない○ 行くべきでなかった

    活用しない助動詞の例)行くだろう○ 行くだろうだった× 行くだろうでない× 行くだろうでなかった×

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    第2章 品詞 第9節【接続詞】

    p118~

    接続詞とは、文の頭に現れて前の文とつなげる語

    接続詞の例)猫が好きだ。だから、猫カフェに行った。

    ★疑問 接続詞と接続助詞の違いは?

    接続詞の例)猫が好きだ。だから、猫カフェに行った。

    接続助詞の例)猫が好きだから、猫カフェに行った。

    接続詞2つの文をつなげる語

    接続助詞は節と節をつなげて1文複文)にする語

    ※複文とは、複数の文ではなく、1つの文に複数の節があること

    接続詞について詳しくは、現代日本語文法⑦p49~

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    第2章 品詞 第10節【感動詞】

    p119~

    感動詞とは、これだけで一語の文になることができる語。活用しない。

    感動詞の例)「あれ」「もしもし」「こんにちは」

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    本日の問題の答え

    【 】内に示した観点から見て、他と性質の異なるものを1つ選べ。

    (3)【品詞】

    1 けち

    2 平等

    3 元気

    4 幸せ

    5 勉強


    p94参照

    ナ形容詞の性質:次に名詞がくるときは「な」

    「けち彼氏」「平等社会」「元気子ども」「幸せ考え」「勉強考え×」

    名詞の性質:格助詞「が」をとる

    「けち」「平等」「元気」「幸せ」 「勉強

    5の「勉強」だけナ形容詞の性質がない。

    よって、答えは5

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