文化本質主義とは
文化本質主義(cultural essentialism)とは、特定の文化に本質的な特性があると見なし、その文化を固定的で変わらないものとする考え方。単に本質主義とも。この見解では、ある文化に属する人々は共通の価値観、行動様式、思考パターンを持つとされ、文化は歴史的または自然的に決定されているとされます。
たとえば、ある国の文化や民族性が「本来こうである」と捉えられることが多く、変化や個人差が軽視されやすくなります。この考え方は、文化の特徴を単純化しがちで、「日本人は集団主義的である」「アメリカ人は個人主義的である」といったステレオタイプに繋がりやすくなる点が批判されています。
文化本質主義は、人々の多様性や個別の事情を見落とす可能性があるため、異文化理解やグローバル社会においては、柔軟な視点が必要とされています。現代では、文化が歴史的・社会的に変化し続けているという視点を取り入れるアプローチが重視される傾向にあります。
文化構築主義とは
文化構築主義(cultural constructivism)は、文化が固定的・本質的なものではなく、歴史的、社会的な文脈の中で人々によって作り上げられてきたものだとする考え方。構築主義とも。文化は、一定の「本質」を持つものではなく、変化し続けるものであり、時代や場所、人々の交流などに応じて常に再構築されると見なされます。
文化本質主義でやりたい過去問
・令和6年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題14問4