共通語と標準語
共通語とは、国内で共通して使える語。日本語では東京方言。以前は標準語という言葉が使われていたが、これが標準だ!と押し付けがましいので最近では共通語と呼ばれている。
標準語に関する記述として不適当なものは?
1 標準語の普及に向けてラジオの放送用語が整備された。
2 標準語の普及には国による国語教科書の刊行が影響した。
3 標準語という用語は20世紀初頭に一般に普及した。
4 標準語は共通語と対立する概念として普及した。
令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題16問3より引用
共通語(東京方言)の発音の特徴
ガ行鼻濁音とは
ガ行には、濁音のガ行と鼻にかかった鼻濁音のガ(「カ゜」と表記することも)行がある。共通語(東京方言)では、語頭の「が」は濁音で、語中の「が」や、助詞の「が」は鼻濁音になる。これをガ行鼻濁音という。しかし最近、ガ行鼻濁音は衰退しつつある。
語頭の「が」は濁音ですが、語中の「が」や、助詞の「が」は鼻濁音になります。
NHK放送文化研究所『鼻濁音は消えるのか』より引用
日本語の発音は規範意識と大きく関わる。例えば、いわゆるガ行鼻濁音は日本語の「標準語」において「美しい」発音とされてきた。それは、「標準語」が東京方言の音韻規則を受け継いだためである。しかし、ガ行鼻濁音は衰退しつつあり、現在も進行中である長期的な歴史的変化の一つだといえる。
問1 「東京方言」に見られる音韻現象として不適当なものは?
1 「箱」などが複合語の後部要素になったとき連濁を起こす。
2 「白い」などの活用語尾が連用形でウ音便を起こす。
3 「北」などで無声音に挟まれた狭母音が無声化する。
4 「若い」などで連母音/ai/ が融合し[e(:)]となる。
東京方言のアクセントルール
①1拍目と2拍目は必ず違う高さ
②一度下がると上がれない
平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3A【アクセント】の問題文に答えがある。
アクセントは「高低アクセント」と「強弱アクセント」に大別される。日本語の標準語(全国共通語)のアクセントは「高低アクセント」であり、ピッチの急激な下降の位置で意味が区別される。
平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3A【アクセント】より
リンガフランカとは
リンガフランカ(lingua franca)とは、異なる母国語を持つ話者がコミュニケーションを取るために使用する共通の言語
リンガフランカとは、異なる言語を話す話者間の共通語として用いられる言語(令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題11問4)
共通語・ガ行鼻濁音でやりたい過去問
・令和6年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3A(1)【東京方言のアクセントルール】
・令和4年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題11問1【ガ行鼻濁音】
・令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(2)【ガ行音】
・令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題11問4【リンガフランカ】
・令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題2問4【日本語の共通語のプロソディーの特徴】
・令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題2【ガ行鼻濁音】
・令和元年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題16問3【標準語】
・平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(4)【アクセント】
・平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3A(4)【標準語(全国共通語)のアクセント】
・平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(3)【東京方言のアクセント型】