問1の解き方【非言語情報とは】
「非言語情報」という言葉は人によって定義が異なるにもかかわらず
この問題では定義が示されていません。
そのため、正解がはっきりしない、あまりよくない問題です。
1 姿勢
姿勢は明らかに言語ではありませんね。
非言語情報です
2 沈黙
沈黙は言語を発しないということ。
突然ですが、私の持病の情報をお伝えします。
私は持病がありません。
持病がないことも持病情報ですね?
同じく
言語を発しないことも言語情報の1つと私は考えます。
一方、平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題12ではパラ言語の例として「沈黙」が挙げられています。
3 笑い
これはあまりよくない選択肢です。
「笑い」だけでは何のことか分かりません。
たとえば、藤崎氏の分類では、感情が非言語情報とありますので(森大毅「話し言葉が伝えるものとは、結局何なのか?」参照)、
藤崎氏の分類では「笑い」は感情であり、非言語情報となるはずです。
一方で、 森大毅氏の分類であれば、
笑ってみている場合はパラ言語情報
おかしさにたまらず笑ってしまっている場合は心理状態
とのことです。
4 言いよどみ
言いよどみとは、言葉がすらすらと出てこないで口ごもること(大辞林より)。
言語がすらすら出てこないことも言語情報の1つです。
よって、答えは1
問2の解き方【パラ言語情報を含むノンバーバル・コミュニケーションの例】
パラ言語の定義はいろいろあります(詳しくはこちらをどうぞ)が、この問題はパラ言語情報の定義が書かれていません。なのであまりよくない問題だと思います。
選択肢を見るに、この問題のパラ言語情報とは意思的に発した音声情報(言語以外)のことだと思われます。
選択肢1
香水をつけるのは音声情報ではない。
選択肢2
にらみつけるのは音声情報ではない。
選択肢3
咳払いは音があります。音声情報です。
選択肢4
肩や腕に触れるのは音声情報ではない。
よって、答えは3
以下は日本語教師になる前に書いた解説です。
※他の解き方、考え方を知るのに役立つので、あえて残しています。
平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題13は【コミュニケーションにける非言語・パラ言語の役割】です。
平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅲの問題12でも【非言語コミュニケーション】が問われています。
問1
姿勢は、非言語情報に含まれます。
よって、正解は1です。
問2
ノンバーバル・コミュニケーション (非言語コミュニケーション)には、
1,身体動作
2,会話相手との距離の取り方(近接空間)
3,声の出し方、その質、間の取り方(パラ言語)
があります。
時間が来たことを知らせるためにせき払いをするのは、声の出し方によって情報を伝達しようとしているのでパラ言語情報を含むノンバーバル・コミュニケーションといえます。
よって、正解は3です。
問3
1,具体的な大きさをジェスチャーで表しています。
2,具体的な髪型をジェスチャーで表しています。
3,具体的な量をジェスチャーで表しています。
4,両手首を交差するジェスチャーは「ダメ」を具体的に表しているわけではありません。あくまで日本では両手首を交差するジェスチャーが「ダメ」を意味しているにすぎません。
よって、正解は4です。
問4
文化を越えて機能するのは、人差し指を自分の唇の前に立てるジェスチャーです。
よって、正解は2です。
問5
フィラーとは、「あのー」「えーと」「うーん」など、会話の切り出しや合間に使われる言いよどみのことです。
cの「へー」は相槌です。フィラーではありません。
よって、正解は3です。