【過去問解説】平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題7

H24試験Ⅰ
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平24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題7は【コースデザイン】です。

問1 学習者のニーズに関する記述として適切なものを選ぶ問題です。
学習者のニーズとは、日本語を学ぶ目的のことです。なので、各選択肢のニーズという言葉を、(日本語を学ぶ)目的に言い換えます。

1,学習者の(日本語を学ぶ)目的は、生活状況の変化や言語能力の向上に伴い変わりうる。
そうですね。

2、(日本語を学ぶ)目的には学習者の学習能力、学習態度、学習ストラテジーが含まれる。
意味が分からない日本語になってしまいました。
ちなみに学習ストラテジーとは、新しい知識の獲得のために学習者が用いる方略のことです。ニーズ(目的)を達成するための手段であり、ニーズ(目的)には含まれません。

3,同じ目的の学習集団は、学習方法の好みも共通する。
そうとは限りません。文法訳読法が好きな学習者(場独立の学習者)もいれば、コミュニケーションが好きな学習者(場依存の学習者)もいます。

4, 語学学習の目的は、学習者の文化的背景によって類型化される。
アメリカ人が日本語を学ぶ目的は皆、ニンジャになりたいからだ、とでもいうんでしょうか。とんでもないステレオタイプですね。

よって、正解は1です。 

問2 レディネス調査に関係ないものを選ぶ問題です。
コース・デザインをするために、学習者のプロフィールに関する情報を収集することをレディネス調査といいます。
・外的条件(国籍、母語・母文化、年齢、職業、経済的条件、時間的条件、学習環境、生活環境など)
・内的条件(外国語学習経験の有無、日本語を学習済の時間、使用教材、取得済みの資格レベル、運用能力に関する自己評価、学習スタイルなど)
について、アンケートやインタビュー(面談)によって調べます。日本語既修者には現在の日本語レベルを測り適切なクラスに配属するため、プレースメント・テストを実施します。

2の目標言語は、学習者のプロフィールと関係ありません。
よって、正解は2です。 

問3 特定の学習者を対象にした特定の目的を持つコースを選ぶ問題です。
1は「国内に住む国際結婚の配偶者」という「特定の学習者」を対象にしていますが、「特定の目的」を持っているのかは分かりません。
2は「ブラジルに住む日系人」という「特定の学習者」を対象にしていますが、「特定の目的」を持っているのか分かりません。 
3は「オーストラリアの専門学校生」という「特定の学習者」を対象にした、「観光ガイド」という「特定の目的」を持つコースです。
4は「日本語を母語としない人」という「特定の学習者」を対象に「カラオケ」という「特定の方法」で学ぶコースですが、「特定の目的」を持っているのかは分かりません。

よって、正解は3です。

問4  自律学習の説明を選ぶ問題です。
自律とは、自分の行動を自分の立てた規律に従って正しく規制することです。
1,自学自習と自律は意味が異なります。
2,自分のペースで進めていくことと、自律は意味が異なります。
3,自律とは自分を評価することではなく、自分を制御することです。
4,自分の行動に責任を持つことは自律です。
よって、正解は4です。

問5  モジュール型教材の説明を選ぶ問題です。
平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題5問1にも「モジュール型」が出てきています。要注意キーワードですね。
モジュールとは、交換可能な構成部分という意味です。目的に合わせて組合せを変えることができます。
よって、正解は3になります。

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