言語計画の3つのステップ①席次計画②実体計画③普及計画

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言語計画とは、国家などの共同体による言語に関する具体的な計画

 言語計画とは、国家などの共同体による言語に関する具体的な計画であり、大きく三つに分類される。一つ目の席次計画である。二つ目は実体計画で、ある言語の機能を計画することである。三つ目は(ア)計画で、習得計画とも呼ばれ、席次計画、実体計画の後に実施される。

問2 (ア)は?

1 普及  2 洗練化  3 標準化  4 汎用

令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題12より引用

言語計画は、社会や教育の中で特定の言語をどのように位置づけ、広め、実施するかを計画的に進める取り組みです。この計画は、以下の3つの段階に分かれます。

1. 席次計画(地位計画)Status planning

定義: 言語の社会的な地位や役割を決定する段階です。国や地域でどの言語がどのように使われるべきかを定め、法的な枠組みの中でその言語の立場を明確にします。

目的: 言語に地位や公用性を与えることで、その言語を尊重し、話者の地位を確立します。社会的・文化的な一体感を強化することも目的としています。

日本の例: 日本では、戦後に日本語が国語として定められ、教育や行政において日本語が標準言語として扱われています。また、沖縄方言やアイヌ語も地域言語としての地位向上が議論されています。

2. 実体計画(コーパス計画)Corpus planning

定義: 言語の実質的な内容を整える段階です。言語の語彙、文法、表記法、標準的な発音などを整理し、統一を図ります。

目的: 言語が教育や公式な場面で使用される際に、共通の基準を持たせ、理解や運用がしやすいようにします。また、新しい語彙や表現を作り出して現代社会のニーズに応えることも含まれます。

日本の例: 日本では、国語審議会(現:文化審議会国語分科会)が戦後から「常用漢字表」や「送り仮名の付け方」など、日本語の表記基準を整備しています。また、カタカナ表記を用いて外来語を導入するなど、日本語の近代化が進められています。

3. 普及計画(習得計画) Acquisition planning

定義: 言語の使用を社会全体に広め、普及させる段階です。学校教育、メディア、出版物などを通じて、言語の使用を促進します。

目的: 人々がその言語を日常的に使うようにし、全体的な言語能力を向上させることが目的です。また、少数言語の保護や地域の方言の保存にも役立ちます。

日本の例: 日本では、学校教育で日本語を教えるほか、国語教育のカリキュラムが整備され、テレビやラジオを通じた正しい日本語の普及活動も行われています。また、外国人向けの日本語教育プログラムも普及計画の一環として進められています。

まとめ

日本の言語計画においては、日本語を国語としての地位に位置づけ、言語の基準や表記法を整えつつ、教育やメディアを通してその普及を進めています。

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言語計画でやりたい過去問

令和6年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題13問2【実体計画】

令和3年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題12【言語政策】

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