平成30年度(2018)日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ問題1(13)の問題は【比喩】です。
比喩、キターーーーーー!
比喩は日本語教師の試験で毎年のように出題されているので最も大切な分野の1つです。
比喩とは、何かを説明するときに、わかりやすい別のものを使って表現すること。
意味拡張という言葉で出題されることもあります。わかりやすくいうと、
意味拡張とは、その言葉を使う場面が広がること。意味が拡張している。漢字から簡単にわかりますね。
例えば、「固まる」という言葉は本来は「変形しやすいものが変形しにくいものに変わること」ですが、今では、「パソコンが固まった」とかいいます。使う場面が広がっています。英語でも「パソコンがフリーズ(freeze)した」といいますよね。英語と日本語が同じように意味拡張している。おもしろいですね。人類、考えることは皆同じ、ということでしょうか。
比喩は意味拡張の一種です。
解き方
問題文には「比喩」としかありませんが、日本語教育能力検定試験によく出題されるのは比喩の使い方で仲間外れを探す問題です。
では、各選択肢の比喩の使い方を見ていきましょう。
- 「追い風」が実際に吹いているわけではないが「追い風」が吹いているように加速できる。
- 「漱石」ではなく「漱石の本」を読む。近い。
- 「洗濯機」ではなく「洗濯機の中」が回る。近い。
- 「黒板」ではなく「黒板に書かれた字」を消す。近い。
- 「永田町」ではなく「永田町にある国会で働いている人たち」が大騒ぎ。近い。
1のように特性や形態が似ている別のもので表現することをメタファー(隠喩)と言います。メタファーの場合は「ように・ようだ」を使って言い換えることができるので、わかりにくい場合は「ように・ようだ」が使えたらメタファーだと覚えてください。
2~5のように近い関係(隣接関係)にあるもので表現することをメトニミー(換喩)といいます。
よって、答えは1です。
比喩のおすすめ動画
比喩の意味や種類についての詳しい説明や覚え方を動画にしました。また、日本語教育能力検定試験によく出題される比喩のオリジナル問題も作りましたので比喩に自信のある方はチャレンジしてみてください。授業に役立つ豆知識も最後に話しています。