【聴解のコツ】日本語教育能力検定試験Ⅱ問題4【会話とスピーチ】の対策

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日本語教育能力検定試験 試験Ⅱ聴解(音声)問題4【会話とスピーチ】を深堀りました。

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問題4の不都合な真実

包み隠さず言うと

問題4は若い人の方が有利です。

なぜか?

問題4は1回しか聞けないのに

2つの問題の

8つの選択肢を

同時に検討しなければいけないからです。

つまり

ワーキングメモリをフル稼働させなければなりません。

ワーキングメモリ長期記憶

日本語教育能力検定試験で大事な用語ですね。

長期記憶は大切なものをしまう引き出し

ワーキングメモリは作業をする机です。

この机の大きさは人によって違いますが

年とともに小さくなりやすいんです

(個人差があります)

問題4は自らのワーキングメモリ(机)との闘いです。

対策は2つありあます。

①机を広げる(ワーキングメモリを鍛える)

②机に出すものを減らす(同時作業を減らす)

①机を広げるのは時間がかかりますので、ここでは②同時作業を減らす方法をお伝えします。

それはシンプルです。

事前準備を徹底的にやればいいのです。

問題4で聞かれることや選択肢には同じような傾向がありますので

過去問を分析しておけば、問いや選択肢を見た時にすぐに処理できます。

ワーキングメモリに過大な負担をかけずにすみます。

え?

分析するのは面倒くさい?

ご安心ください。

私が代わりに分析しましたので

今から無料で公開します。

それではどうぞ。

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近年の出題傾向

直近3年の問いと選択肢を全て書き出しました。

太字は複数回出題されているもの

黄色ハイライトは正解です

平成29年度

1番 同級生と会話

問1)発話の特徴

  • a テンス
  • b フィラー
  • c 聞き返し
  • d 正しい表現の産出を試みる

問2)日本人が困っている原因

  • a 自分の発話で相手が気分を害した
  • b 発話意図伝わらず
  • c 相手の発話聞き取れず
  • d 相手の発話に文法的誤り

2番 教師(教育実習生)とレッスン

問1)指導が必要な項目

  • a のだ文
  • b 応答詞
  • c 複文
  • d 接続詞

問2)教育実習生の問題点

  • a 否定的な反応
  • b 特定の集団の代表者として
  • c 既知の情報を発話
  • d 特定の学習者に集中

3番 スピーチ

問1)音声的な問題点

  • a アクセントの平板化
  • b 昇降調イントネーション
  • c 語頭の無声音が有声化
  • d ポーズ

問2)文法的な問題点

  • a 前方照応の文脈指示
  • b 後方照応の文脈指示
  • c 「こ系」の現場指示
  • d 「そ系」の現場指示

平成30年度

1番 発表

問1)音声的な特徴

  • a 上昇調イントネーション
  • b 頭高アクセント
  • c フィラー
  • d ポーズ

問2)話し方の特徴

  • a スピーチスタイル
  • b 複文
  • c 言いさし
  • d 美化語

2番 上下関係ある会話

問1)待遇表現

  • a 目上の人を労う
  • b 恩恵の押しつけ(与益表現)
  • c 受益表現
  • d 尊敬語と謙譲語の混同

問2)断り方

  • a 理由を示した明示的
  • b 感情を表した高圧的
  • c 言いよどみ
  • d 謙遜表現

3番 教師とレッスン

問1)誤解した理由

  • a 特殊拍の挿入
  • b アクセント
  • c 表記上の誤りが音声に
  • d 音声上の誤りが表記に

問2)教師がしてないこと

  • a 正しい発音の繰り返し
  • b 正しい表記に書き直し
  • c 表記上の間違いを指摘
  • d 発音上の間違いを指摘

令和元年

1番 同僚と会話

問1)繰り返し見られる誤り

  • a 逆接の接続詞と順接の接続詞の混同
  • b 確認の終助詞と注意喚起の終助詞の混同
  • c 特定の助詞とモダリティ形式の固定的な組み合わせ
  • d 特定の助詞と人物を表す名詞の固定的な組み合わせ

問2)日本人の工夫

  • a 同じ言葉の繰り返し
  • b 言い換え
  • c 理解確認
  • d 発話を先取り

2番 発表

問1)発話の問題点

  • a テンス
  • b スピーチレベル
  • c 語用論
  • d 統語論

問2)音声的な特徴

  • a 昇降調イントネーション
  • b ポーズ
  • c プロミネンス
  • d 拗音の直音化

3番 教師とレッスン

問1)練習方法

  • a TPR
  • b VT法
  • c サジェストペディア
  • d シャドーイング

問2)変わった点

  • a リズム
  • b イントネーション
  • c プロミネンス
  • d アクセント
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パターンは3つ

気づきましたか?

3つのパターンがあることに。

学習者が一人で話す

学習者がレッスンを受ける

学習者が日本人と会話する

毎年、この3つが1つずつ聞かれています。

この出題パターンを事前に把握しておけば、

「ああ、このパターンか」

と落ち着いて聞くことができ、ワーキングメモリを節約できます。

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問題4で聞かれること

学習者の発話の問題点

一番よくあるパターンは学習者の発話の問題点です。

これは上の①~③

どのパターンでも聞かれる可能性があるのでとても大切

音声的な特徴、音声的な問題、話し方の特徴、文法的な問題、表記の問題、繰り返し見られる誤り…

問われ方は様々ですが、

聞いていることは同じ

学習者の日本語のどこが変なの

ということです。

教師の対応

パターン②レッスンで聞かれるのが

教師の対応です。

教師が用いている練習方法、教師がしなかったこと、教育実習生の問題点…

問われ方は様々ですが

聞いていることは同じ

教師はどういう指導をしたの

ということです。

日本人の反応

パターン③日本人との会話で聞かれるのが

日本人の反応です。

日本人の工夫、断り方、困っている原因…

問われ方はさまざまですが

聞いていることは同じ

日本人はどう対応したの

ということです。

以上、3つ

よく聞かれる問いを覚えておけば、ワーキングメモリの負荷を減らすことができます。

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よく出る用語は確実に理解しておくこと

ここでは複数回出てきた用語の意味を確認します。

出てくる用語に詳しければ、ワーキングメモリをあまり使わずにすみます。

用語意味
テンス過去、現在、未来、ル形とタ形。「食べる」と「食べた」この使い分けができていない
フィラー会話の詰め物。「あのう」「えー」「まあ」フィラーを多用しているとか。
複文1つの文の中に複数の文。
①連体修飾
「昨日見た猫はかわいかった」→「昨日猫を見た。その猫はかわいかった」
②名詞句
「猫カフェに行くのは楽しいことです」→「猫カフェに行きます。それは楽しいことです」
③副詞節
「私は猫が好きなので、猫カフェに行きます」→「私は猫が好きです。だから猫カフェに行きます」
④引用
「彼は猫が好きだと言った」→「彼は言った。猫が好きだと」
接続詞文と文をつなげます。「だから」「それで」など
アクセントの平板化起伏式のアクセントが平板式になること。例えば「彼氏」をギャル風に発音してみましょう。
昇降調イントネーションギャルのように語尾を伸ばして、上昇したり下降したりするイントネーション。「だって~」「うちのカレシが~」
ポーズ変なところに間(ま)がある。あるいは、文と文と間(あいだ)の間(ま)がない。
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解き方

問いと選択肢を読む

問題4の説明は、1分26秒あります。

説明は毎年同じです。

ですが、念のため、最初の10秒だけはちゃんと聞きながら問題4の説明文を読んで、例年と同じことを確認してください。

同じであれば、

残りの1分16秒の間に、問いと選択肢を読んでください

問いを読んでどのパターンか誰が最初に話すか把握

問いを読むときは、2つのキーワードを〇で囲ってください。

1.上の①~③のどのパターンの問題か分かるキーワード。

2.最初に話すのはどちらか。

例えば、令和元年度

1番の問題であれば、

1.「日本人とその同僚の外国人が話して」を〇で囲う。

2.「最初に話すのは日本人」を〇で囲う。

2番の問題であれば、

1.「報告会」を〇で囲う。

2.なし

3番の問題であれば、

1.「教師と学習者が話して」を〇で囲う。

2.「最初に話すのは教師」」を〇で囲う。

このように印をつけて事前準備しておけば、

いざ音声が流れた時のワーキングメモリを節約できます。

選択肢を読んで知っている言葉と知らない言葉を把握

選択肢を読んで意味が分かる言葉と分からない言葉を分けてください。

たとえば、

分かる言葉は〇で囲う

分からない言葉は△で囲う。

こうすることで分からない選択肢は諦めて切ってしまうなどの決断力につながります。

聞いて違和感を把握

音声を聞く前に選択肢を読み、

音声を聞いた時にその違和感と選択肢がすぐに結び付けば、

その選択肢に印をつける。

そうじゃない場合、

すぐに選択肢を選ぶことができない場合はどうするか?

違和感を忘れないようにメモしておく

という方法があります。

例えば、令和元年度1番であれば

「友達を会いたい」(あるいは「を会いたい」)など。

ただしメモに集中しすぎると他のところを聞き逃す可能性があるので注意してください。

万人におすすめできる方法ではありません。

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