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YouTube動画で試験解説(試験は実務に役立たない?)
この動画解説はただの試験解説ではありません。
日本語教育能力検定試験の勉強は
現場で教えるのに役立たないと批判されてきました。
私も新人の頃は日本語教育能力検定試験で学んだ知識を現場で使えていませんでした。
試験勉強と教え方の指導は完全に別れているので
その繋がりに気づけなかったのです。
この動画解説では、試験で学んだことを教え方に繋げます。
実際に日本語学校の授業で使用した教案も公開しています。
問題1
問1 ミニマルペア 正解率90
ミニマルペアは音素が1つ違うだけで異なる単語になるペア
ローマ字あるいは発音記号でみるとわかりやすい。
1 「aka」と「asa」 音が1つだけ違って「赤」と「朝」という異なる単語のペアになるのでミニマルペア。
2 「hashi」と「hata」平仮名でみると「し」と「た」の1字しか違わないが、ローマ字で見ると子音も母音も違うので2つの違いがあることがわかる。
3 「tamago」と「tango」 [m][a]2つの違いがある。
4 「kagami」と「kagaku」[m][i]2つの違いがある。
答えは1
問2 自由異音 正解率34
おかえりなさい。平成28年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3C以来8年ぶりに自由異音が帰ってきました。
英語のrとlのように日本語では区別しない(どちらも「ラ」の子音)が本当は異なる音を異音といい、自由に現れることができる異音を自由異音という。
1 ザ行子音の自由異音[z]と[ð]は平成23年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題1問2で登場している。
[dz]は「ざ」の子音、[dʑ]は「じゃ」の子音。
「ざらざら」と「じゃらじゃら」のように日本語では両者を区別するので自由異音ではない。
2 [r]も[l]も日本語では「ら」の子音。本当は異なる音だが日本では区別せずどちらも自由に使えて「ラーメン raamen /laamen)」と言えるので自由異音
3 「ン」の発音は直後の音によって決まるので自由ではない条件異音
例)「あんぽ」のように直後が両唇音のときは[m]、「あんな」のように直後が歯茎音のときは[n]
4 小さい「ッ」の音は直後の音によって決まるので自由ではない条件異音
例)「いったい ittai」のように直後が[t]のときは[t]、「いっぱい ippai」のように直後が[p]のときは[p]
答えは2
問3 学習者の母語別の誤用の例 正解率43
1 日本語の「つ」の子音は[ts]だが、英語は[ts]が頭子音(とうしいん)であまり用いられないので[t]が抜けて[s]になることがある。「月(ツキ)」を「スキ」と発音する誤用
2 日本語の「や」の子音は有声硬口蓋接近音[ j ]だが韓国語にもある(東京外国語大学「朝鮮語を知る」参照)。ザ行音[z]は韓国語にないので「ザマ」を「ジャマ」と発音する誤用がある。
一方、ベトナム語はヤ行・ザ行・ジャ行を区別しないので「山」を「ザマ」あるいは「ジャマ」と発音する誤用がベトナム語母語話者に見られる(ベトナム人日本語学習者のヤ行・ザ行・ジャ行音の知覚参照)
3 中国語では有声音無声音の区別がない(有気音と無気音の区別がある)。「ガ」と「カ」、「ダ」と「タ」は同じように聞こえる。日本人にとっての”r”と”l”と同じ。「元旦」を「カンダン」と発音する誤用が生じる。
4 ベトナム語はヤ行・ザ行・ジャ行を区別しない。ベトナム語母語話者が「増加」を「ジョーカ」と発音する誤用はある。
答えは2
問4 ローマ字 正解率70
1 日本式は五十音図に基づいた表記法なので「ダヂヅデド」の子音は「d」で表記される。一方、訓令式は同じ音は同じ表記をするため「ダデド」の子音は「d」だが、「ヂ(ジ)」の表記は「zi」、「ヅ(ズ)」の表記は「zu」になる。
2 フの子音が「f」で表記されるのはヘボン式。訓令式は「h」
3 訓令式はタチツテトの子音が「t」で表記されるが、ヘボン式ではチの子音が「ch」、ツの子音が「ts」で表記される。
4 ヘボン式ではシの子音が「sh」で表記されるように、シの音声学的にサスセソと異なる子音である。
答えは4
問5 ローマ字が発音を正確に示せるとは限らない 正解率98
1 ttが続くので促音を示せている。
2 最後にnがあるので撥音を示せている。
3 「数字」を「suji」と表記すると、「すじ」か「すーじ」か分からず、長音の有無を示せない。長音は母音の上に^をつけて表わす。
4 ryで拗音を示せている。
答えは3
問題2 並列助詞と並列を表す複文
問1 並列助詞「と」「や」「か」の機能 正解率74
並列助詞と接続詞の比較が平成29年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3Cに出題されているので合わせて見ておきたい。
接続詞の他にも、接続の機能を持つ形式として、接続助詞、並列助詞がある。語と語をつなぐ場合、接続詞を用いた「黒もしくは後のペン」という表現は、並列助詞を用いて「黒か青のペン」とも言えるが、両者は文法上異なる特徴を持っている。
(15)下線部に関して適当なものは?
1 「もしくは」は三つ以上の要素を並列できるが、「か」は二者択一の場合にしか用いることができない。
2 「もしくは」は名詞、動詞、格成分など様々な要素同士を接続できるが、「か」は名詞同士しか接続できない。
3 「もしくは」は後続部との構造的な結びつきが強く、「か」は先行部との結びつきが強い。
4 「もしくは」は先行部の要素に情報の焦点があり、「か」は後続部の要素に情報の焦点がある。
「と」「や」「か」で文を作ってみる。
「と」 寿司とラーメンとカレーが食べたい:全部列挙
「や」 寿司やラーメンが食べたい:一部列挙
「か」 寿司かラーメンが食べたい:選択列挙
答えは3
名詞と名詞を対等な関係で結びつけることを基本的な働きとする助詞を並列助詞という。
・佐藤と鈴木がやってきた。
・全部列挙「と」
・一部列挙「や」「やら」「だの」「とか」
・選択列挙「か」「なり」
・累加列挙「に」
例)お弁当にビール、アイスクリームはいかがですか?
現代日本語文法①p113、現代日本語文法②p119参照
問2 「XといいYといい」「XなりYなり」「XだのYだの」「XであれYであれ」 正解率72
文を作ってみる。
1 最近は仕事やら家事やらで試験勉強の時間がとれない。
「Yやら」の後に助詞をつけることができる。
2 分からない問題は、本で調べるなり、AIに聞くなり、してください。
文末に依頼のモダリティ形式を用いることができる。
3 パーティの幹事は、いつだのどこだのと決めることが多くて大変だ。
別の疑問詞を列挙することはできるが同一の疑問詞を列挙することはできない。
×いつだのいつだの決めることが多くて大変だ。
4 行くのであれ行かないのであれ、早めに連絡をお願いします。
「XであれYであれ」は、XとYに「動詞+の」を列挙することができる。
答えは4
学びを深めたい人は現代日本語文法⑥p273〜へ。
「〜やら〜やら」
述語の非過去形に接続する。2つの事態を例示的に並列させて、1度にいろいろな事態が生じて、混乱し錯綜した様子を表す。
・去年は、親は入院するやら、息子は大学受験に失敗するやら、大変な1年だった。
・部下に慰められて、うれしいやら情けないやら、複雑だった。
・夜の冬山は暗いやら寒いやらで、1歩も歩けなくなってしまった。
「〜なり〜なり」
動詞の非過去形に接続する。例となる事態を並べる形式で、どの事態を選択するか、選択する人の自由意志に任せるニュアンスを表す。主節には行為要求や意志のモダリティ、あるいは未来の出来事が現れる。
・頭が痛いなら、薬を飲むなり、病院に行くなり、しなさい。
・迷ったら、人に聞くなり、電話をかけるなりして、なんとかたどり着きます。
「〜だの〜だの」
あまり高く評価できない事態を累加し、例示的に示す。不快や憤りを感じる事態であることが多い。
・授業がおもしろくないだの、先生が嫌いだのと言って、勉強しない。
・自分探しをするだのいろいろ経験するだのは若いときにするものだ。
現代日本語文法⑥p273〜より引用
問3 スタイルによる並列の表現の使い分け
接続表現の一覧が現代日本語文法⑦p58にあるので持っている人は要チェック。
1 「と」のあらたまった表現として「及び」を使うことがある。
2 「や」のくだけた表現として「とか」を使うことがある。
3 「と」は全部列挙。「または」は選択列挙。機能が異なるので代わりに使うことはできない。
4 「や」は一部列挙。「並びに」は全部列挙。機能が異なるので代わりに使うことはできない。
答えは2
理解を深めたい人は現代日本語文法⑦p105〜へ
「および」「ならびに」は並立の用法をもつ。
・関係者の皆様のご理解ならびにご協力に感謝します。
・リー氏の今回の来日の目的は、日本企業を訪問すること、および資料を収集することである。
「および」「ならびに」は並立助詞「と」と置き換えることが可能であるが、書きことばやあらたまった話しことばで「および」「ならびに」が用いられることがある。
また、先行部と後続部に目上の人物など、立てるべき人やものが用いられる場合は「および」は用いられにくい。
・先生方{*および/ならびに}ご来賓の皆様、本日は本当にありがとうございます。
・大学院生{および/ならびに}研究生のみなさんにお知らせです。
(中略)
「または」「ないし(は)」「もしくは」は排他的選択肢提示の用法をもつ。
・ペン{または/ないしは/もしくは}ボールペンで書いてください。
この例では、ペンで書いてもよいし、ボールペンで書いてもよいが、使ってよいのはその2つのみである。
現代日本語文法⑦p106〜より引用
「〜とか〜とか」
「とか」は「と」に「か」がついた形であるが、「〜か〜か」が、列挙された事態の中から1つを選択しなければならない形式であるのに対し、「〜とか〜とか」は、事態は例として挙げられているに過ぎないので、必ずしもその中から選択しなくてもよい。
・メールするとか、ファックスを送るとかして連絡してくれ。
現代日本語文法⑥p277より引用
問4 「〜たり〜たり」を用いた文 正解率84
文を作ってみる。
1 素敵なオムライスを食べたりメイドさんとゲームしたり、しませんか?
「〜たり」を用いた従属節を含む場合、主節は勧誘の表現を伴うことができる。
「たり」は主節の文のタイプに制約はない(現代日本語文法⑥p274)。
2 1の例の通り主題の「は」を使わない。
「たり」従属節の中に主題が現れることはない(現代日本語文法⑥p274)。
×大雨は降ったり、暴風は吹いたり、ひどい天気だった。
3 1の例のように主節が丁寧体の場合でも「〜たり」の前は丁寧体にならないのが普通(現代日本語文法⑥p273)。
4 「〜たり〜たり」が「の」を伴って名詞修飾節となる場合や、それ自体が格成分となる場合もある(現代日本語文法⑥p274)。
・まだ病気が治っておらず、寝たり起きたりの毎日だ。
・警察は門の前で、行ったり来たりをくりかえしている。
答えは1
「XたりYたり」のような対等な関係にある複数の節(複文)を並列節という。
問5 並列を表すテ形と連用形の共通ルール 正解率28
文を作ってみる。
1 連用形の直後に「ね」を後続することができない。
テ形 :先生は髪が長くてね、背が高い。
連用形:先生は髪が長くね、背が高い×
2 テ形は話し言葉に使用されやすく、連用形は書き言葉で使用されやすい。
3 従属節と主節の主語は違う場合が多い(現代日本語文法⑥p282)。
テ形 :おばあさんは山へ行って、おじいさんは川へ行った。
連用形:おばあさんは山へ行き、おじいさんは川へ行った。
4 並列の用法では、従属節と主節の事態は対等な関係にあるので、入れ替えても意味が変わらない(現代日本語文法⑥p282)。
テ形 :先生は髪が長くて、背が高い/先生は背が高くて、髪が長い
連用形:先生は髪が長く、背が高い/先生は背が高く、髪が長い
答えは4
テ形・連用形による接続を掘り下げたい人は現代日本語文法⑥p279〜へ。
問題3 引用
引用は令和2年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題3Cの大問にも登場しているのでまとめて見ておきたい。
問1 「と」「って」以外の引用形式 正解率64
引用において使われる表現の代表的なものには「と」や「ように」がある。
・勉強を続けるように言いました。
答えは3
引用節の旅をもっと続けたい人は現代日本語文法⑥p26〜へ。
問2 直接引用と間接引用の区別
文を作ってみる。
1 彼は先生に「毎日勉強します」と誓った。私は先生に「明日は雨です」と伝えた。
直接引用の引用節では「です/します」などの敬体表現が使える。
2 先生は彼に「毎日勉強しろ」と言った。先生は彼に「雨の日も勉強しなさい」と言った。
直接引用の引用節内では「しろ/しなさい」などの命令文が使えない。
3
4
答えは3
問3
答えは2
問4
答えは1
問5
答えは3
問題4
問1
答えは1
問2
答えは4
問3
答えは2
問4
答えは4
問5
答えは3
問題5
問1
答えは1
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答えは4
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答えは2
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問題6
問1
答えは3
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答えは1
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答えは2
問題7
問1
答えは4
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答えは3
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答えは3
問題8
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答えは1
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問題9
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問題10
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答えは2
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問題11
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問題12
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問題13
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問題14
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問題15
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答えは1
問題16
問1
答えは1
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答えは3