問1の正答率は62.2
問1の解き方【留学生30万人計画】
選択肢1
フランスに倣い国費留学生と私費留学生の割合を1対9とすることを目指したのは「留学生受入れ10万人計画」です。
(1) 21世紀初頭において、10万人の学生(当時のフランス並み)を受け入れることを目途とする。
(2) 我が国の18才人口が1992年までを前期、減少傾向に転ずる1993年以降を後期とし、前期においては、受入れ態勢、基盤の整備に重点をおき、後期においては、その受入れ態勢、基盤の上に立った受入れ増を見込んでいる。
(3) 国費留学生と私費留学生の割合は、10万人受入れ時においては、フランスの状況等を勘案し、1:9程度とする。
(4) 国費留学生は、私費留学生受入れの牽引力としての役割を果たす。
当初の「留学生受入れ10万人計画」の概要
なお、平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題15問1では「留学生10万人計画」の目標値の基準となったものが問われています。
「留学生30万人計画」に関する記述ではありません
×
選択肢2
そのとおりです。
○
留学生を引きつける魅力ある大学づくりとして、英語のみによって学位取得が可能となるなど大学等のグローバル化と大学等の受入れ体制の整備について支援を重点化して推進する。
「留学生30万人計画」骨子検証結果報告p14
選択肢3
日本語教員養成を拡充するために「標準的な教育内容」を提示したのは、昭和60年文部省日本語教育施策の推進に関する調査研究会報告「日本語教員の養成等について」です(詳しくは文化庁のウェブサイトを参照)
×
選択肢4
留学生30万人計画が策定されたのは2008年です。
日本留学試験の海外実施を開始し、渡日前の入学者選考を可能にしたのは、2002年からです(詳しくは日本留学試験(EJU)とは参照)
×
よって、答えは2
留学生30万人計画が登場した日本語教育能力検定試験の過去問
・平成30年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題15問4選択肢3
・平成27年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題15問3【留学生30万人計画の目的】→高度人材獲得
・平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題10問2【2008年に策定された留学生30万人計画の骨子の内容】
問2の正答率は35
問2の解き方【在留資格「技術・人文知識・国際業務」】
留学生が日本国内で就職する際に取得する主な在留資格である「技術・人文知識・国際業務」は技人国とよく言われます。
在留資格は最もよく出る時事問題なので下の記事を見てどのような在留資格の問題が出題されているか確認しておいてください。
選択肢1
在留期間は「5年、3年、1年又は3月」ですが
最終学歴の成績によって決まるわけではありません。
通常は初回の申請では1年の在留期間が認められます。
×
選択肢2
在留資格を取得し直す必要はありません。
所属(契約)機関に関する届出を出す必要があります。
×
選択肢3
日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることが必要です。
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等についてp4
日本人より安くてよいとなると外国から安い労働力が大量に来て日本人が失業するからです。このような規定は多くの国にあります。
選択肢4
日本語能力に関するテストは要求されていません。
詳しくは「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等についてどうぞ
よって、答えは3
問3の正答率は13.4
問3の解き方【在留資格「特定活動(46号)】
特定活動と技人国との違いはこちら
特定活動(46号)に関するガイドラインはこちら
特定活動(46号)は技人国に比べて、幅広い業務に従事することができますが条件はかなり厳しいです。
選択肢1
日本語能力試験N1又はBJTビジネス日本語能力テストで480点以上を有する方が対象です。
留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドラインp1
「N2」ではありません。
×
選択肢2
本邦の大学を卒業又は大学院の課程を修了し,学位を授与された方で,高い日本語能力を有する方が対象となります。
(中略)
日本の4年制大学の卒業及び大学院の修了に限られます。短期大学及び専修学校の卒業並びに外国の大学の卒業及び大学院の修了は対象になりません。
留学生の就職支援に係る「特定活動」(本邦大学卒業者)についてのガイドラインp1
上記の通り「日本国内の大学を卒業または大学院を修了している者が対象」です。
○
選択肢3
採用した会社が、採用された物の支援を特定支援団体(登録支援機関)へ委託する必要があるのは「特定技能1号」かと。
詳しくは出入国在留管理庁の特定技能制度をどうぞ
選択肢4
厨房の皿洗い、客室の清掃などの単純作業に専従することができるのは「特定技能1号」かと。
詳しくは出入国在留管理庁の特定技能制度をどうぞ
よって、答えは2
問4の正答率は66.8
問4の解き方【ケース学習】
ケース学習とは、実際に起きたケースを題材に、他者との討論を通して問題の解決法を見出し、その過程を内省する一連の学習です。
ケース学習について詳しくは、国際交流基金の「ケース学習」をどうぞ。
選択肢1
これはロールプレイです。ケース学習では「やりとりを自分で考える」のではなく、「実際に起きたやり取り」について他者と討論します。
選択肢2
「会話を模倣して、反復する」のはパターン・プラクティスの反復練習です。
選択肢3
これはディベートです。
選択肢4
これがケース学習です。
よって、答えは4
問5の正答率は58.1
問5の解き方【状況的学習論】
平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題7問4では「状況的学習論の考え方が生かされている活動」として「学習活動が社会的実践としての意味を持つプロジェクトワーク」が出題されています。
状況的学習論とは、実践の共同体の社会的活動に参加する過程を学習と捉えること。
状況的学習論は英語では、situated learning(シチュエーション・ラーニング)
実践の共同体に参加しているのは選択肢1のみ
よって、答えは1
状況的学習論が登場した日本語教育能力検定試験の過去問
・平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅰ問題7問4【状況的学習論の考え方が生かされている活動】