令和2年度(2020年)日本語教育能力検定試験 試験Ⅱ(聴解・音声)問題2は例年同様、発音上の問題点を選ぶ問題でした。が、
また新しいメンバーが登場!
令和元年にデビューした「ポーズ」に続き
今年は、「特殊拍の種類」が鮮烈デビュー!
とはいえ、「特殊拍の種類」は赤本でもよく見るおなじみの顔です。
それ以外のメンバーは今までどおりでした。
毎年、出てくるメンバーはほぼ決まっているので各メンバーの名前を覚えたい。
拍の長さ | 日本語は基本、ひらがな1つで1拍です。拗音(きゃきゅきょ)はセットで1拍 |
プロミネンス | どこを強く言うか。強調するか。 |
アクセントの下がり目 | 単語ごとに考えます。日本語は高低アクセント。どこで下がるかが大事です。 |
句末・文末イントネーション | 文(句)ごとに考えます。最後が上がるか下がるか。 |
ポーズの位置 | 間がどこにあるか。 |
特殊拍の種類 | 撥音(ん)か促音(っ)か引く音(-)か。 |
問題2の解き方
音声問題2の過去問を徹底的に分析し、様々なパターンの対策を見つけました。
よろしければ、下の記事をご覧ください。
1番
聞く前に選択肢を見て、たくさん出てくるキーワードを確認
※たくさん出てくるキーワードは答えの可能性が高い
アクセントの下がり目:a,b
プロミネンス:a,c
拍の長さ:c
句末・文末イントネーション:d
2回出てくる「アクセントの下がり目」と「プロミネンス」が怪しい
と思いながら聞きます。
教師が言い直しているところを確認
L:はい、見たことがあります
T:はい、見たことがあります
「見た」のアクセントは「高低」
「た」で下がらないといけないのに学習者は下がっていない。
よって、答えはb
2番
聞く前に選択肢を見て、たくさん出てくるキーワードを確認
アクセントの下がり目:a,b,c
プロミネンス:a
句末・文末イントネーション:c,d
3回出てくるアクセントの下がり目が一番怪しい、2回出てくる句末・文末イントネーションが2番手
と思いながら聞きます。
教師が言い直しているところを確認
L:映画を見に行きます↑
T:映画を見に行きます↓
学習者は質問に答えているのに、質問見たいに語尾が上がっている。
よって、答えはd
3番
聞く前に選択肢を見て、たくさん出てくるキーワードを確認
拍の長さ:a
アクセントの下がり目:b
特殊拍の種類:c
句末・文末イントネーション
各選択肢に1つずつとは…
昔の日本語教育能力検定試験みたいだな
と思いながら聞きます。
教師が言い直しているところを確認
L:こっきょうに帰りました
T:こきょうに帰りました。
こきょう:3拍
こっきょう:4拍
拍の長さが明らかに違います。
よって、答えはa
4番
聞く前に選択肢を見て、たくさん出てくるキーワードを確認
やはり各選択肢に1つずつ
昔に戻っている
と思いながら聞きます。
教師が言い直しているところを確認
L:せんげつ、ネットで買いました。
T:せんげつ、ネットで買いました。
学習者は
「せんげつ」
を明らかに強く言っています。
ですが、質問は「どこで」なので
「ネットで」を強く言うべきです。
プロミネンスがおかしい。
よって、答えはb
5番
聞く前に選択肢を見て、たくさん出てくるキーワードを確認
アクセントの下がり目:a,c
プロミネンス:a,d
句末・文末イントネーション:b
拍の長さ:c,d
2回ずつ出てくる「アクセントの下がり目」「プロミネンス」「拍の長さ」が怪しい
と思いながら聞きます。
教師が言い直しているところを確認
L:とうしょうかんに行きます。
T:としょかんにいきます。
とうしょうかん:6拍
としょかん:4拍
拍の長さが明らかに違います。
答えはcかd
「アクセントの下がり目」か「プロミネンス」か。
「どこに」という質問に
「とうしょうかん」を強く答えているので
「プロミネンス」はOK
アクセントの下がり目は?
「としょかん」のアクセントは
「低高低低」
「しょ」の後に下がります。
ですが、学習者の発音は
「しょ」の後も下がってないです。
よって、答えはc
6番
聞く前に選択肢を見て、たくさん出てくるキーワードを確認
また1つずつの昔スタイル…
こうなると私の試験テクニックは使えないものの
シンプルで分かりやすいのはいいこと。
教師が言い直しているところを確認
L:アジアのしゅっきょうの本です。
T:アジアのしゅうきょうの本です。
「しゅーきょう」と長音(特殊拍)にすべきところを
「しゅっきょう」と促音(特殊拍)になっています。
特殊拍の種類が違います。
よって、答えはd