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問1の解き方
1.ハイムズは言いました。
コミュニケーションには、
言語能力だけでなく、
コミュニケーション能力も必要であると。
(コミュニカティブ・コンピテンス・伝達能力)
※試験Ⅰ問題13参照
言語能力
:正しい文を組み立てる能力
コミュニケーション能力(伝達能力)
:いつどこでだれにどんな文を使うか。
カナルとスウェインは
コミュニケーション能力について考えた。
コミュ力は
①文法能力(チョムスキーの言う言語能力)
②社会言語能力
③ストラテジー(方略的)能力
④談話能力
から成り立っている。
①文法能力
語彙・文法・音声・表記などを正確に使用できる能力
〇文法能力がない例
・ラメン(表記×)
・かわいいのネコです(文法×)
②社会言語能力
場面や相手に応じて適切な表現を使用できる能力
〇社会言語能力がない例
・学生が先生に対して「昨日、何した?」
③ストラテジー能力
コミュニケーションを円滑に行うための能力
知らない言葉を別の言葉で言い換えたり、
ジェスチャーで伝える。
〇ストラテジー能力を発揮した例
客「ビール瓶を開けるのに使うものありますか」
店員「ああ、栓抜きですね」
④談話能力
会話の始め方(「あのー(フィラー)」)、どんな順序で述べる方、どうやって終わらせるかなど会話を組み立てる能力。
〇談話能力がない例
「ねこかわいいですね。テストどうでしたか」
1.社会言語能力の問題
2.社会言語能力の問題
3.文法能力の問題
4.談話能力の問題
答えは4
問2の解き方
談話標識(ディスコースマーカー)とは
談話(会話)で次に何が来るかの目印。
例)
話題を変えたいときに「ところで」
相手に反論したいときに「でも」
やり取りを終えたいときに「では」
1.「謝罪」
2.やり取りをまとめて終える「標識」
3.「別れのあいさつ」
4.「残念な気持ちを表す」
答えは2
問3の解き方
スクリプトとは
スキーマの一種。何かをするときの一連の流れの知識。
例)スターバックスでは、カウンターで注文し、お金を払い、カウンター横で待ち、呼ばれたら商品を受け取るという知識
スクリプトは、
何かをするときの一連の流れの知識
答えは4
※平成25年度試験Ⅲ問題11問1はスクリプトの例を選ぶ
問4の解き方
トップダウン処理とは
まず推測し、それが正しかったかどうか照合(マッチング)する。
場面の絵、背景知識、挿絵、タイトル、などから推測する。
例)カフェのカウンターにいる人の絵を見て、コーヒーを注文する会話かなと推測してから会話を聞く。
ボトムアップ処理とは
まず単語や文法の意味、発音などを確認してからそれを積み上げて全体を理解する。
例)モデル会話に出てくる新出語彙や文法の意味を確認してからモデル会話を提示する。
1.ボトムアップ
2.ボトムアップ
3.トップダウン
4.ボトムアップ
答えは3
★授業でどう使う?
みんなの日本語
順番通りにやればボトムアップ
練習Cからやればトップダウン
問5の解き方
言語の誤りと語用の誤り
1)言語の誤り
①言語間エラー:負の転移
②言語内エラー:過剰(一)般化
2)語用の誤り
語用論的転移(プラグマティック・トランスファー)
学習者が間違える理由
1)言語の誤り
①言語間エラー:負の転移
②言語内エラー:過剰(一)般化
2)語用の誤り
語用用論的転移(プラグマティック・トランスファー)
①負の転移
母語の影響が悪い方向に行く。
例)
日本にはRとLの違いがないので、英語で違いを区別できない。
②過剰般化
習っている言語の規則を過剰に適用する。
例)
ナ形容詞(形容動詞)の過去形の規則をイ形容詞にも適用する。
きれいだった、べんりだった、おいしいだった
③語用論的転移
母語の使い方を第二言語にも適用。文法的には誤りでないが第二言語の文化では使わない表現。
例)
Would you like some water?
水ほしいですか?× 水はいかがですか〇
1.過剰一般化
2.ストラテジー能力
3.語用論的転移
4.社会言語能力
答えは3