問1の解き方【書き言葉と話し言葉】
落としたくない問題です。専門知識なしで解けます。
書き言葉と話し言葉の違いはこちらの記事で書きました。
話し言葉は対面性が高く、終助詞や応答詞が頻出します。
よって、答えは3
問2の解き方【様々なジャンルの文体的特徴】
「手紙」「報告書」「新聞」「取扱説明書」
それぞれの文の特徴を頭の中で再現できれば勝ちです。
選択肢1 手紙文
「残暑厳しきおり、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか」のように手紙文の冒頭では儀礼的機能を担う定型句などの表現が用いられます。
〇
選択肢2 報告書
「これらのデータが示すように、今回の実験が失敗であることは明らかである」のように客観性が求められる報告書では、「示す」「明らか」などの表現が用いられます。
〇
選択肢3 新聞
体言止めとは、文を名詞で終わらせることです。
こちらの朝日新聞を見てください。
「1口座をひもづける義務を検討します」ではなく「1口座ひもづけ義務 検討」と書かれています。新聞では字数制限があるので、多くの情報を伝えるために、助詞の省略や体言止めが用いられます。
〇
選択肢4
お家に洗濯機などの取扱説明書があれば、見てみてください。
丁寧体(デスマス体)「火災の原因になりますので、タバコなどの火気を近づけないでください」「保証期間は2年です」
デアル体 「火災の原因になるので、タバコなどの火器を近づけてはいけない」「保証期間は2年である」
お家に取扱説明書がない方は、こちらの歌をどうぞ。
取扱説明書(トリセツ)は、デスマス体ですね。
文体と曖昧さは関係ありません。デアル体で曖昧に書くこともできるし、デスマス体で曖昧さを排除して書くこともできます。
曖昧なデアル体の例:私はその日、東京にいる姉の友達に会った。
上の文は東京にいるのが「姉」なのか「友達」なのか分かりません。曖昧です。
×
よって、答えは4
問3の解き方【主節と従属節の文体を合わせなければならない場合】
具体的に文を作れば答えが出ます。
選択肢1 条件を表す「なら」節
・北海道に行くならニセコがいいですよ!
従属節は「行く」なので、ダ・デアル体
主節は「いいです」なので、デスマス体
文体を合わせなくてもOK
選択肢2 逆接を表す「が」節
①今日は雨だが、散歩に行きます×
②今日は雨だが、散歩に行く〇
③今日は雨ですが、散歩に行きます〇
①のように、従属節がダ・デアル体、主節がデスマス体にすると、違和感があります。
②のようにダ・デアル体あるいは③のようにデスマス体で統一してほしいです。
逆接を表す「が」節 は文体を合わせなければならないことがわかりました。
選択肢3 同時を表す「ながら」節
①彼は勉強しながら猫をなでることができる。
②彼は勉強しながら猫をなでることができます。
「ながら」の前はマス形(「勉強します」の「ます」カット)と決まっています。
つまり従属節はいつもデス・マス体です。
主節は、①ダ・デアル体、②デスマス体、どちらも使えます。
選択肢4 付帯状況を表す「つつ」節
①勉強しなきゃと思いつつ、ついアニメを見てしまう。
②勉強しなきゃと思いつつ、ついアニメを見てしまいます。
「つつ」の前はマス形(「思います」の「ます」カット)と決まっています。
つまり従属節はいつもデス・マス体です。
主節は、①ダ・デアル体、②デスマス体、どちらも使えます。
よって、答えは2
問4の解き方【イ形容詞の誤用が起こりやすい理由】
作文添削している日本語教師なら簡単な問題でした。
デスマス体をダ・デアル体に変えてみます。
名詞:ここはネコカフェです→ここはネコカフェだ〇
ナ形容詞:ネコはきれいです→ネコはきれいだ〇
イ形容詞:ネコはかわいいです→ネコはかわいいだ×
動詞:ネコはご飯を食べます→ネコはご飯を食べる〇
イ形容詞も名詞やナ形容詞と同じように「だ」をつけてしまう間違いを作文でよく目にします。
よって、答えは4
問5の解き方【『思う』『考える』など認識動詞の特徴】
問3と同じく具体的に文を作れば答えが出ます。
選択肢1
自発とは行為者の意思と関係なく、自然に起きること。自然にそうなる。
・「Cさん遅いね」「また寝坊じゃないですか?」「たしかに寝坊は考えられる」
この会話のように自発形「考えられる」は、書き手がそう思うという主観的な認識の明示ではなく、「みんな自然にそう考えます」という意味で客観的です。
主観的な認識の明示であれば「考えています」を使いましょう(例:私は寝坊が原因だと考えています)
×
選択肢2
能力可能は、その人自身のできる/できない(例:私はピアノが弾けます)。
状況可能は、その状況のできる/できない(例:この駅ではピアノが弾けます)。
・このデータによると、原因は複数考えることができます。
・このデータによると、原因は複数考えられます。
上の文は、「このデータ」があるという状況で考えることができるので状況可能です。
×
選択肢3
①今度の選挙戦は熾烈な戦いになると思われる。
②私はみんなから猫が好きだと思われている。
①の主体は自分ですが②の主体は他人です。
〇
選択肢4
①来月、ニセコに行こうと思っている。
②来月、ニセコに行こうと思う。
①も②も書き手の現在の認識です。
よって、答えは3