平成30年度(2018)日本語教育能力検定試験 試験Ⅰ問題1(8)の問題は【熟字訓】です。
解き方
またまた聞きなれない言葉。熟字訓。ですが大丈夫。我々には漢字様という頼もしい味方がいらっしゃいます。まずは同じ漢字を使った言葉を頭の中から探してみます。あ、あった! 熟語! あ、あと、訓読み!
熟語とは、2つ以上の漢字や言葉でできた語
例)子猫、子パンダ
じゃあ、熟字は2つ以上の漢字だろうか? と類推。そうです。
熟字とは、2つ以上の漢字で作られた作られた語
次に、訓読み
訓読みとは、元から日本にあった言葉で漢字を読むこと。
音読みとは、中国の発音を元に漢字を読むこと。
オーケー、じゃあ各選択肢が訓読みかどうかチェックしてみよう。
- こども
- あずき
- みやげ
- あした
- しない
うん、全部、訓読みっぽいぞ。終了。
いや、待てよ。何かがひっかかる……。
そうだ!
子供の「子」は「こ」と読めるが、小豆の「小」は単独では「あ」と読めない。土産の「土」は「み」と読めない。明日の「明」は「あ」と読めない。竹刀の「竹」は「し」と読めない。
も、もしかして…。
熟字訓とは、漢字単体では読めず熟字をまとめて読むしかないもの
なのか!?
1は「子」は「こ」、「供」は「とも」と読める。
まとめて読むと「こども」。「ども」になっているのは後ろが濁音になる連濁のせいだ!熟字訓ではない!
連濁とは、2語が1語に合体するときに後ろの語の最初の音が濁音になること
例)ナイル+川(かわ)→ナイル川(がわ)
だから答えは1だ!
当て字と熟字訓の違い
熟字訓よりよく聞く言葉に当て字がありますね。
当て字とは、漢字本来の用法を無視してその漢字に読み方をあてはめたもの。
例えば、ビールやコーヒーは英語なので本来漢字はありませんが、麦酒、珈琲と漢字で書くことができます。これが当て字です。
熟字訓も当て字の一種です。
当て字のうち、訓読みするものを熟字訓と言います。
熟字訓とは、当て字のうち、訓読みするもの。