問題2(5)の解き方
落としたくない問題です。
【】内を直してどんな誤用か考えます。
「はい、大学生ですね」→「はい、大学生です」
終助詞「ね」がいらないです。
選択肢を見て仲間外れを探します。
1 「ええ、そうですね」→「あ、そうですね」
「ええ」→「あ」
仲間外れです。
2 「どうぞ、こちらですね」→「どうぞ、こちらです」
3 「あ、ヤンですね」→「あ、ヤンです」
4 「いえ、どんでもありませんね」→「いえ、とんでもありません」
よって、答えは1
日本語教師になる前に書いた解説
※他の解き方、考え方を知るのに役立つので、あえて残しています。
(5)終助詞「ね」の誤用
終助詞の「ね」や「よ」は文末につけられない場合があります。
スーパー大辞林3.0によると、終助詞の「ね」には、①軽い詠嘆を表す。②軽く念を押す気持ちを表す。③相手の同意を求める気持ちを表す。④問いかける気持ちを表す。の意味があります。
問題のように「あなたは大学生ですか」という問いに対し、終助詞の「ね」を使うことはできません。自分のことだからです。自分が大学生であることに、①軽い詠嘆を表すのも②軽く念を押す気持ちも表すのも③相手の同意を求める気持ちを表すのも④問いかける気持ちを表すのもおかしいからです。なお、「彼は大学生ですか」という問いであれば「はい、大学ですね」と終助詞「ね」を使って答えることができます。②軽く念を押す気持ちを表します。
1,字が間違っているという指摘に対しては、終助詞の「ね」を使うことができます。しかしながら、間違っていたことは知らなかったはずなのだから、いきなり「ええ」と答えるのはおかしいです。「知っていてわざと間違えましたが何か?」という不愉快なキャラクターになってしまいます。「すみません、そうですね。直します」と答えてはいかがでしょうか。
2,終助詞の「ね」の誤用です。
3,終助詞の「ね」の誤用です。
4,終助詞の「ね」の誤用です。
よって、1が正解です。
終助詞の「よ」の使い方に問題がある理由を説明している過去問
平成26年度日本語教育能力検定試験Ⅲ問題5問3では、ある発話において終助詞「よ」が使用不可能な理由を選ぶ問題が出題されていますので、そちらも要チェックです。
外国人学習者による日本語の誤用に関するおすすめのテキスト
日本語教育能力検定試験Ⅰの問題2は毎年、外国人学習者による日本語の誤用なので、日本語の誤用辞典が一冊あると便利です。