試験合格の最短ルートは過去問にあります。日本語教育能力検定試験では似た問題が繰り返し出題されるからです。過去問を解きながらその周辺分野を学ぶことが望ましいです。
そこでこのブログでは、勉強を始めたばかりの方でも過去問に取り掛かれるよう、基本からの解説を心がけました。また、問題を解くには直接関係のない応用部分も説明していますので、知識がなくても過去問を一つずつ解きながら、その周辺分野まで学ぶことができます。
日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(1)は、ほぼ毎年、音声記号問題です。
音声記号問題の解き方については別記事でまとめましたのでご覧ください。
2016日本語教育能力検定試験Ⅰ問題1(1)【調音法】の解き方
平成28年度(2016年)日本語教育能力検定試験Ⅰの問題1は例年どおり、他と性質の異なるものの五肢択一です。
1,[ɸ]無声両唇摩擦音
2,[ç]無声硬口蓋摩擦音
3,[s]無声歯茎摩擦音
4,[ɾ]有声歯茎弾き音
5,[θ]無声歯摩擦音
1,2,3,5の調音法は摩擦音ですが、4の調音法は弾き音です。
よって、4が正解です。
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日本語教育能力検定試験の音声記号問題対策におすすめの参考書
音声学は初めてという人でも、段階を追って「易→難」へと学習が進められるように構成を配慮。各課の見出し、用語、説明などは、基本的に日本語教育能力検定試験に準拠。(amazonの内容紹介より)
日本語教育能力検定試験に合格するための音声23は冒頭の音声記号問題はもちろんのこと
試験Ⅱ聴解問題の対策にもなります。
特に巻末の国際音声記号表(口腔断面図付き)は試験Ⅱの問題3対策に最適です。
私はコピーして机の前に貼っていました。
日本語教育能力検定試験の予想問題
冒頭の別記事のとおり
音声記号を区別するには
①声帯振動②調音点③調音法④円唇性(唇の丸め)⑤舌の前後位置⑥舌の高さ
の6通りがあります。
このうち、⑤舌の前後位置と⑥舌の高さは、日本語のアイウエオだけでは五肢択一が作れません。
よって、①声帯振動②調音点③調音法④円唇性(唇の丸め)が出題される可能性が高いです。
10年分の過去問を見てみましょう。
平成23年度【調音法】
平成24年度【声帯振動】
平成25年度は音声記号問題じゃない。
平成26年度【調音点】
平成27年度【唇のまるめ】
平成28年度【調音法】
平成29年度【音声的対立】
平成30年度【二重調音】
令和元年度【円唇性】
令和2年度【調音点】
最近、【声帯振動】が出ていないのでそろそろかもしれませんね。
①声帯振動が出題された場合
声帯振動の有無(有声・無声)の見分け方は簡単です。
清音(カ・サ・タ・ハ行)と半濁音(パ行)が無声音です。
濁音(ガ・ザ・ダ・バ行)と清濁の区別がない子音(ナ・マ・ヤ・ワ行)が有声音。
②調音点が出題された場合
調音点の区別は難しいですが、語呂合わせがあります。
カガワ軟膏、ヒヤ後攻、サザタダナラ死刑。
(カガワ→軟口蓋、ヒヤ→硬口蓋、サザタダナラ→歯茎)
詳しくは冒頭の記事をどうぞ。
2016/12/16 9:09:05