平成25年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のCは【取り立て助詞と格助詞】です。
取り立て助詞は、平成24年度日本語教育能力検定試験Ⅰの問題3のEや、平成27年度 日本語教育能力検定試験Ⅰの問題1の⑾から⒂でも出題されていますので、要チェックです。
取り立て助詞には、文の表面には書いてない情報を表す働きがあります。
(11)
大辞林によると、「極限」とは、「物事の一番の果て。かぎり。極」です。
各選択肢の取り立て助詞を見て(ぱっと見で分からない場合は頭の中で例文を組み立てて)みます。
1,「など」は「極限」を表しません。「累加」(重ね加えること)です。
累加の例… 僕は猫などが好きだ。(猫以外にも好きなものがあると加えている)
2と3,「 ばかり」は「極限」を表しません。「限定」です。
限定の例…僕の家の猫は僕ばかり噛む。
4,「さえ」「でも」「まで」は「極限」を表します。
「さえ」極限の例…あの猫は僕にさえ懐いた。
「でも」極限の例…あの猫は僕でもお腹を触れた。
「まで」極限の例…あの猫にまで僕は噛まれた。
よって、正解は4です。
(12)
強い格と弱い格を見分ける問題です。ヒューマンアカデミー著『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第3版』では86頁です。また、『日本語教育能力検定試験に合格するための文法』には詳しい説明があります。
強い格といえば「ガ格」「ヲ格」なので、4が正解です。
強い格を覚えていなかった場合は、(11)で出てきた取り立て助詞の「さえ」を使って、検討してみます。
「が」→がさえ☓
「で」→でさえ○ 例…母でさえチョコをくれなかった。
「から」→からさえ○ 例…母からさえチョコをもらえなかった。
「を」→をさえ☓
よって、正解は4です。
(13)
通常の順番、格助詞+取り立て助詞、と異なり、取り立て助詞+格助詞、になる取り立て助詞を選ぶ問題です。(12)に出てきた格助詞「から」を使って実際に組み合わせてみます。
1,「しか」→母からしかチョコをもらえなかった。
2,「も」→母からもチョコをもらえなかった。
3,「だけ」→母だけからチョコをもらえた。
4,「なんて」→母からなんて欲しくなかった。
よって、正解は3です。
(14)
1は、睡眠時間以外も活用していることを表しているので、取り立て助詞です。
2は、バイト代以外も取り上げられたことを表しているので、取り立て助詞です。
3は、病気にならない程度には頑張ることを表しているので、取り立て助詞です。
4は、文の表面に書いてない情報を表してはいませんので、取り立て助詞ではありません。
よって、正解は4です。
(15)
1,「関係者以外は入れない」は「部屋」という体言を修飾しているので、連体修飾節です。
2,「ぬいぐるみ」という体言を修飾している連体修飾節は、「おじいちゃんにもらった」です。「息子は」は連体修飾節の外です。
3,連体修飾節はありません。
4,「店」という体言を修飾しているのは「料理が安くておいしいお得な」です。「ここは」は関係ありません。
よって、正解は1です。