(7)【「のだ」の用法】
新解説
試験Ⅰ問題1をやる上で気をつけなきゃいけないのは【】内の観点から見て、他と性質が異なるものを選ぶ問題です。
1つだけ違うものを選べばいいのではありません。
【】内の観点から違うものを選ばないといけません。
【】内のことをよく考えないといけません。
今回だと 【「のだ」の用法】です。
つまり、「のだ」にはどんな使い方があるかという観点から考えないといけません。
「のだ」の用法についてよくまとめられているのは現代日本語文法④p195~
「のだ」は説明を表します。会話では「んだ(んです)」になります。
選択肢の文を「んだ」で言い換えてみます。
1 この傘は学校のだってさ→この傘は学校んだってさ×
2 もうすぐ3年経つのだなあ→もうすぐ3年経つんだなあ○
3 例の話はどうなっているのだ→例の話はどうなっているんだ○
4 来週あたりが満開なのだそうです→来週あたりが満開なんだそうです○
5 その土地は国のものなのだね→その土地は国のものなんだね○
1だけ「んだ」で言い換えられません。
1は連体助詞の「の」だからです(連体助詞について詳しくは現代日本語文法②p107〜)
連体助詞とは、体言(名詞)に連なる助詞。つまり、名詞と名詞をつなぐ助詞です。
①その車は私の車だ。
②その車は私のだ。
①も②も連体助詞の「の」です。ただし②は「車」が省略されています。
選択肢1はこれと同じです。
①この傘は学校の傘だってさ
②この傘は学校のだってさ。
選択肢1のみ連体助詞の「の」
よって、答えは1
旧解説
1だけ「の」が「のもの」の意を表しています。
2から5はいわゆる「ノダ文」です。詳しくは『増補版 日本語教育能力検定試験 合格するための問題集』317頁をご参照ください。
よって、正解は1です。